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緩和ケアでは、いくつかの場面で点滴による処置が行われることもあります。
例えば、痛み止めの薬剤を体へ注入したり、必要な栄養や水分を体へ補給したりする場面です。
ここでは、緩和ケアにおける栄養や水分の点滴にフォーカスし、その目的やメリット・デメリット、点滴に類した補給方法、終末期における点滴の注意点などについて解説しています。
緩和ケアでは、栄養・水分の補給を目的に点滴が行われることもあります。
緩和ケアの段階に入った患者の中には、筋力の低下等により、食べ物を噛んで飲み込むための力が低下している方や、脳梗塞などの病気の影響で嚥下障害が生じている方などが少なくありません。
口から栄養・水分を補給できない以上は、何らかの別の方法で対処する必要があります。その代表的な方法の1つが点滴です。
なお緩和ケアを受けている患者の中でも、特に生存予後が数日の段階に入った終末期の患者においては、点滴によって逆に患者を苦しませてしまうことがあるので、積極的な点滴は行われない傾向があります。
この点についての詳細は後述します。
栄養・水分を補給する目的の点滴は、「経管栄養」と呼ばれる処置の1つとなります。
経管栄養には、点滴の他、胃ろうや腸ろう、経鼻経管栄養などもあります。
以下では、それぞれの経管栄養の概要やメリット・デメリットを確認してみましょう。
一般的に私たちがイメージする点滴は、正確には末梢輸液と言います。
腕や足(通常は腕)の静脈にカテーテルを挿入し、栄養や水分を体へ直接注入する方法です。
消化管が機能していない患者でも栄養を摂取できる点がメリットです。
また、後述する中心静脈栄養とは異なり、カテーテルの挿入時に手術を必要としないため、患者の体への負担が少ない点もメリットと言えるでしょう。
1日に投与できるカロリーの上限が1,000kcalまでという点はデメリットになります。
大人一人が1日に必要とするカロリーには達しません。
また、針や浸透圧などの影響で静脈に炎症が生じたり、輸液の注入時に血管痛を感じたりする点もデメリットとなるでしょう。
心臓の近くにある太い「中心静脈」にカテーテルを挿入し、栄養を直接注入する方法が中心静脈栄養です。
点滴の一種とも言えますが、腕の静脈に針を指して簡単に行える末梢輸液に対し、中心静脈栄養を行うには手術で装置を取り付ける必要があるなど、その準備は大掛かりです。
1日に投与できるカロリーの上限が2,500kcalとなり、大人が1日に必要とするエネルギー量をカバーできる点がメリットです。
- カテーテル挿入部から菌が侵入して感染症を起こす恐れがある
- 血胸などの合併症を起こすことがある
上記などが、中心静脈栄養のデメリット。
また、投与を始めた直後に高血糖となったり、投与を中止した直後に低血糖となったりする場合もあるので、血糖コントロールに対処できる医療機関でなければ中心静脈栄養が困難なこともあります。
お腹から胃にかけて穴を開け、カテーテルを通じて栄養や水分を届ける装置が胃ろうです。
カテーテルの挿入口は洋服で隠れるため、外部から胃ろうの装置が見えることはありません。
「ボタン型バルーン」や「ボタン型バンパー」など4通りの組み合わせが用意され、患者本人のライフスタイルに応じて自由な組み合わせを選ぶことができます。
口から食道にかけて何らかの障害がある方でも、胃ろうであれば問題なく栄養・水分補給をできる点がメリットです。
特に高齢者に多く見られる誤嚥性肺炎のリスクも、胃ろうによって大幅に減少します。
点滴のように簡単な処置とは異なり、胃に穴を開けて装置を取り付けるための手術が必要になる点はデメリット。
また、半年に1度のペースでカテーテルを交換する必要があるため、その都度、手間や費用がかかる点もデメリットとなるでしょう。
お腹から腸にかけて穴を開け、カテーテルを通じて栄養や水分を届ける装置が腸ろうです。
カテーテルを通す場所は異なるものの、イメージとしては胃ろうと同じような装置になります。
胃ろうと同様、嚥下障害のある方でも、誤嚥性肺炎などのリスクなくして栄養摂取できる点が腸ろうのメリット。
また、胃を切除して胃ろうを設置できない方でも栄養摂取が可能となる点も、腸ろうのメリットとなるでしょう。
一方で胃ろうと同様に、装置を取り付けるための手術が必要となる点はデメリット。
また、腸ろうを利用している方は下痢を起こしやすくなることから、胃ろうに比べ、よりゆっくりと時間をかけて栄養補給をしなければならない点もデメリットの1つとなるでしょう。
嚥下障害のある方でも誤嚥などのリスクなく栄養摂取できる点がメリット。
口からの栄養摂取機能が回復すれば、すぐに止められることも経鼻経管栄養のメリットでしょう。
嚥下障害のある方でも誤嚥などのリスクなく栄養摂取できる点がメリット。
口からの栄養摂取機能が回復すれば、すぐに止められることも経鼻経管栄養のメリットでしょう。
一方で、鼻から胃にチューブを通す際や、逆にチューブを外す際に、患者が不快感や苦痛を感じることは大きなデメリット。
また、装着時の見た目が良くない点も、患者によってはデメリットに感じるようです。
抗腫瘍治療がすべて終了してがんに関しては無治療となった最終末期の患者では、多臓器不全が進行し、衰弱して死に至ります。
その時にカロリーを保つためなど必要以上の点滴をすると、胸腹水が増えて苦痛が増す場合があります。
このような状況となった患者には、点滴を抜去することも緩和ケアのひとつとなります。
点滴を外して眠っているような状態が続いている患者でも、家族の声が聞こえていることがあるようです。医師としては、患者が家族の声を理解していることを伝え、手を握ることで患者の意思を確認する方法など、実際にコミュニケーションの取り方をアドバイスすることがあります。
言葉を交わすことはできませんが、五感を通じて家族での大切な時間を過ごすことは可能です。
終末期の緩和ケアでは、患者だけではなく家族の心も支援しています。
私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』