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がん以外にも緩和ケアは可能?

せん妄とはどんな症状?緩和ケア中に起こる原因とは?

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せん妄とは

せん妄とは、身体・環境などに起因する何らかの原因によって、急性の脳機能障害が生じている状態のこと。
主に軽度から中等度の意識障害を発症し、注意力や認知力が低下します。

意識障害のタイプを大きく分けると「過活動型」と「低活動型」の2種類があります。患者さんによっては、過活動型と低活動型の症状が両方現れることも。
24時間以内に両方の症状が現れる状態のことを、混合型のせん妄と呼びます。

「過活動型」と「低活動型」、それぞれの概要を確認しておきましょう。

過活動型のせん妄

過活動型のせん妄とは、普段よりも精神的な落ち着きがなくなるタイプのせん妄です。

暴力・暴言などの攻撃性が高まったり、幻覚・妄想などの異常な言動が生じたりなど、患者さんの普段の性格とは異なる状態が見られるため、家族は大きく戸惑うことがあります。
過活動型のせん妄は認知症の初期症状と似ているため、時に認知症と誤認されることもあります。

過活動型のせん妄の主な症状は以下のようなものです。

- 暴力
- 暴言
- 興奮
- イライラ
- 幻覚
- 妄想
- 不眠 など

低活動型のせん妄

低活動型のせん妄とは、普段よりも精神的に元気がなくなるタイプのせん妄です。

あらゆることに意欲が低下し、ぼんやりとする時間が多くなったり、表情が乏しくなったり、話しかけても反応しなくなったりすることもあります。
症状が重度になると、家族を認識できなくなることもあります。
低活動型のせん妄はうつ症状に似ているため、時にうつ病と誤認されることがあります。

低活動型のせん妄の主な症状は次の通りです。

- 意欲の低下
- 無気力
- 無表情
- 注意力の低下
- 思考力の低下
- 見当識障害(場所や時間、人を認識できない) など

せん妄の原因

せん妄の主な原因は「薬剤」「脱水」「感染症」「腎・肝不全」「器質性疾患」などです。
初期症状が発症してから速やかに原因を特定できれば、症状を緩和させることが可能です。

各原因について見てみましょう。

薬剤

薬剤の中でも、特にオピオイド系鎮痛剤の影響でせん妄の発生が知られています。
がんの痛み止めとして処方される「コデイン」や「モルヒネ」が、代表的なオピオイド系鎮痛剤として知られています。

他にも向精神薬や抗ヒスタミン剤、抗コリン薬なども、せん妄の原因となる薬剤として指摘されています。

感染症

肺炎や尿路感染症など、細菌感染を原因にせん妄を発症することがあります。
高齢者の場合、細菌感染症の典型的な症状が出にくい傾向があり、「せん妄の症状を精査した結果、細菌に感染していることが発覚した」ということも珍しくありません。

感染症を発症した場合、下痢や嘔吐などによる脱水にも注意しなければなりません。

脱水

体液に含まれる水分や電解質は、体内で栄養素や老廃物を運搬する働きを持っていることから、脱水によって体から水分や電解質が奪われていくと、脳の機能に影響を及ぼしてせん妄を発症することがあります。

せん妄が起こって判断力が低下すると、患者さん本人は水分補給することを忘れてしまうことがあるため、さらにせん妄が重度になってしまうこともあります。

腎不全・肝不全

腎不全や肝不全で体内の老廃物を排出しにくくなると、代謝異常から脳機能の低下を招き、せん妄症状が現れることがあります。

器質性疾患

脳転移などの器質性疾患が原因でせん妄の症状が現れることもあります。

脳や血管がダメージを受けることで発症する器質性疾患は精神的苦痛を伴うもので、症状が悪化してしまうとせん妄の原因になり得ます。

せん妄を引き起こしやすい因子

せん妄を引き起こしやすい因子として「準備因子」「促進因子」「直接因子」の3つが指摘されています。
各因子の概要を見てみましょう。

準備因子

準備因子とは、せん妄を引き起こしやすくする平常時の因子のこと。
具体的には次のような要素がせん妄の準備因子となります。

- 高齢
- 脳血管疾患
- アルコール多飲歴
- 薬物乱用歴
- 認知症
- せん妄の既往歴
- その他の重篤な身体疾患 など

促進因子

促進因子とは、せん妄の症状を強くしてしまう因子のこと。
具体的には次のような要素がせん妄の促進因子となります。

- 便秘、疼痛、脱水、視力障害、聴力障害などの身体症状
- 不安、抑うつなどの心理社会的ストレス
- 入院、ICU入室、騒音、明るさなどの環境変化
- 暑さ、まぶしさ、点滴ラインなどの不快な感覚一般 など

直接因子

直接因子とは、せん妄を引き起こしてしまう直接的な因子のこと。上でご紹介した一連の「原因」も直接因子の一種です。
具体的には、次のような要素がせん妄の直接因子となります。

- 全身疾患の悪化
- オピオイド系薬剤、抗コリン薬、H2ブロッカーなどの薬剤
- 脱水
- 低ナトリウム血症、高カルシウム血症などの電解質異常
- 肺がん、呼吸器感染症などによる低酸素脳症
- 呼吸器以外の感染症
- 手術、放射線などによる治療侵襲 など

がんの緩和ケアの際に生じるせん妄は、改善できないせん妄(不可逆的な終末期せん妄)が多いと言われることがあります。
一方で終末期であっても約50%のケースにおいて、ケアを通じて改善したとの報告もあります。

がん終末期に現れたせん妄であっても、可逆的な原因・要因を探り、諦めずにケアを続けることが大切です。

せん妄の患者さんの家族をケアすることも大切

せん妄を発症している患者さんの言動や様子は、明らかに普段とは異なります。
そのような患者さんの姿を見ることは、家族にとってもつらいことでしょう。

それゆえに医療者においては、「本人のせん妄を見る家族に対するケア」も大切な要素となります。

- せん妄という症状やその原因
- 患者さん本人に発症が予想されるせん妄や経過
- がんが進行した方の80%以上でせん妄が発症すること
- 患者さんの話に違和感があっても無理に正そうとしないこと など

これらのようなせん妄の事前知識を提供しておくことが、ご家族に対する大事なケアとなります。

意識障害の段階とせん妄の位置づけ

意識障害は、状態の程度に応じて4つの段階があります。
それら4つの段階のうち、せん妄は「傾眠」と呼ばれる段階で起こる傾向があります。

意識障害の4つの段階を確認しておきましょう。

意識晴明

意識が正常な状態です。状況判断や意思疎通が問題なくできます。

傾眠

浅い眠りに近い状態です。軽い刺激で意識を取り戻しますが、そのまま放置していると、再び浅い眠りへと陥ります。
意識を取り戻している時でも注意力にかけたり無気力になったりなど、様々なせん妄の症状が現れることもあります。

昏迷

強い刺激を与えなければ意識を取り戻せない状態です。
強い刺激を与えた際、手で払ってきたり叫んできたりなど、不快感を示すことがあります。

昏睡

強い刺激を与えても意識を取り戻せない状態です。
脊髄反射や排泄行為はあるため、脳死とは異なります。

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