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がん以外にも緩和ケアは可能?

緩和ケアの中で行われるリハビリの内容とは?

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緩和ケアにおけるリハビリの目的は「最高の日常生活」を送ること

患者の余命の長さに関わらず、患者とその家族が、その時点での「最高の日常生活」を送ることができるよう様々な専門家がチームを組んでサポートすることが、緩和ケアにおけるリハビリの目的です。
がんが進行すると、食事量が低下します。一方でがん細胞は、患者が持つエネルギーを消費するため、患者の体は早いペースで衰弱することがあります。体が衰弱すれば日常生活での活動量が低下するため、疲れやすくなったり食事量がさらに低下したりし、寝たきりの状態になる可能性があります。
そのような状態になることを予防すること、また、仮に寝たきりになったとしても最大限に患者のQOL向上を目指すことが、緩和ケアでのリハビリの目的・役割となります。

緩和ケアで行われるリハビリの内容

一般に、何らかの病気やケガでベッド上で療養している患者には、早期の離床が大事と言われています。
離床とは、ベッドから離れて生活範囲を拡大させていくこと。臥床が長く続けば続くほど心肺機能や運動機能、消化機能などが低下し、心の状態も不安定になっていく傾向があることから、医療従事者は、早めに患者がベッドから離れることができるよう様々なリハビリを進めていきます。

この考え方は、緩和ケアを受けている患者においても同じように適用されます。たとえ離床が困難な終末期の患者が対象であっても、理念としては離床を最大目標に置きながら、患者に残された心身機能を最大限に発揮できるよう専門家がチームを組んで(緩和ケアチーム)リハビリを進めます。
以下、緩和ケアで行われている主なリハビリの内容を見てみましょう。

呼吸リハビリテーションで呼吸困難感を和らげる

肺がんや呼吸器系のがんを始め、がん細胞が肺のリンパ管に入り込んで肺の中に水が溜まる「がん性リンパ管症」などを発症すると、多くの患者は呼吸の苦しさを訴えます。放射線治療や抗がん剤治療の影響で呼吸が苦しくなることもあります。

それらの呼吸困難感を自覚している患者に対し、医師や看護師などの専門家により、緩和ケアでは呼吸リハビリテーションが行われます。少しでも呼吸が楽になるような呼吸法の指導、呼吸の介助、リラクゼーションなどが主なリハビリの内容です。
主に、横になるのではなく座る姿勢を維持させたり、胸式呼吸ではなく腹式呼吸をさせたり、軽い運動を促したりなどの方法で、呼吸が楽になるようサポートします。

嚥下リハビリテーションで飲食物の飲み込み機能を鍛える

口腔がんや舌がんを発症している患者、または、がんによる全身的な筋力低下に陥っている方の中には、嚥下障害を抱えている方が少なくありません。
嚥下障害とは、飲食物の飲み込み機能が低下している状態のこと。嚥下リハビリテーションでは、口腔がんや舌がんの痛みで嚥下が難しくなった患者に、少しでも楽に飲み込めるような工夫を指導したり、または、筋力低下によって食べ物が食道ではなく気道に流れてしまう患者に、誤嚥しない飲み込み方などを指導したりします。

なお、嚥下リハビリテーションを行うのは、通常、言語聴覚士の資格を持ったリハビリの専門家です。

日常生活動作(ADL)のリハビリテーションで歩行能力を維持

なるべく他人の介助を受けず、患者が自立して日常生活を行える範囲を維持・拡大できるよう、日常生活動作(ADL)のリハビリが行われます。具体的には、筋力の維持や歩行能力の維持を目的とした各種の理学療法・作業療法です。日常生活動作(ADL)の能力を最大限に発揮できるよう、ベッドに補助手すりなどを設置することもあります。
日常生活動作(ADL)のリハビリについては、患者やその家族から、特に排泄動作能力の維持・回復に対する期待が多く寄せられます。

疼痛緩和のための各種リハビリで身体的な痛みを和らげる

疼痛とは、がんなどを原因とする身体的な痛み全般のこと。緩和ケアのリハビリにおいては、何よりも疼痛緩和が第一に検討されるべき課題とされています。
主に行われている疼痛緩和のためのリハビリは、物理療法やリラクゼーション、補装具の装着、電動ベッドの使用などです。物理療法では、主にホットパックを使用した疼痛緩和が行われることが多く見られます。また補装具の装着では、患者ごとに合った腰椎コルセットが作製される傾向が多くあります。なお、呼吸の苦しさを疼痛の一種と解釈し、先にご紹介した呼吸リハビリテーションも疼痛緩和のためのリハビリと位置づけられることがあります。

リンパ浮腫の症状緩和に向けたリハビリでむくみの緩和

がんの治療部位の周辺を中心に、リンパ管に回収されずに残ったリンパ液が溜まって浮腫(むくみ)を起こすことがあります。浮腫が生じると、関節を動かしにくくなったり重たく感じたりなど、日常生活に支障をきたすことが少なくありません。リンパ液の流れの悪化から感染が生じるケースもあります。
緩和ケアでは、リンパ浮腫を生じた患者に対し、浮腫を少しでも緩和させるためのリハビリを行います。具体的には、圧迫運動下での運動をさせたり、浮腫にマッサージ(リンパドレナージュ)を行ったり、浮腫が生じにくい生活指導を行ったりなどです。

心理状態を安定させるためのリハビリ

がんを患っている患者の中には、極度の落胆や絶望感、孤独感、不公平感、焦燥感など、様々な負の心理状態に陥っている方が少なくありません。患者によっては、現実を受け止めて冷静になり、逆に家族などに気遣って理性的な言動を維持する方もいますが、緩和ケアを受ける患者の大半は、大なり小なり健常時とは異なる心理状態を経験することは間違いないでしょう。

緩和ケアでは、患者が少しでも安定した心理状態で日々を充実して過ごしていけるよう、心理面・精神面におけるリハビリも行っています。具体的には、少しでも多くのコミュニケーションを取ること、患者の気持ちに焦点を当てて受け入れること、患者の気持ちを尋ねることなどです。
医師、看護師、療法士、家族など、あらゆる人との接触が患者にとっての心理的リハビリにつながることでしょう。なお直接的・計画的に心理的リハビリを提供する専門家は、臨床心理士や精神科医となります。

患者の家族に対するリハビリ法の指導

患者に対する直接的なリハビリとは異なりますが、患者の家族が希望すれば、専門家が家族に対してリハビリの方法を指導することもできます。日常動作の介助の方法やマッサージの方法などの指導です。患者は、家族から受けるリハビリの機会を通じて、体だけではなく心も安定に向かう可能性があるでしょう。
また、緩和ケアの現場では、患者ではなく家族に対してリハビリを行うケースもあります。「緩和ケアは家族もケアの1単位とする」という緩和ケアの基本的な考え方に基づくものです。

移動機能が低下してしまう「がんロコモ」(運動器症候群)

緩和ケアを受ける患者の中には、「がんロコモ」という状態になっている方が少なくありません。
「がんロコモ」とは、がんに関連して骨や筋肉、神経、関節などの運動器に障害が起き、移動機能が低下してしまった状態のこと。主に、
①がんの影響、
②がんの治療の影響、
③がんと併発している他の疾患の進行、
という3つのいずれかの理由により「がんロコモ」になる可能性があるとされています。

がんの影響による「がんロコモ」

がん細胞が血液に乗って骨転移すると、骨に痛みや麻痺を生じたり、簡単に骨折したりなどし、自立移動が困難となって「がんロコモ」になることがあります。体のどの部位に生じたがんでも、骨転移を起こす可能性があります。

がんの治療の影響による「がんロコモ」

手術後の長期間の安静による筋力低下、抗がん剤の副作用による神経症状、放射線治療等による運動器の障害などにより、自立移動が困難となって「がんロコモ」になることがあります。

がんと併発している他の疾患の進行による「がんロコモ」

もともと運動器に疾患があったものの、がんの治療を優先したことから、当初の運動器の疾患の治療が後回しとなることがあります。これにより生じた移動機能の低下も、一種の「がんロコモ」と考えることができるでしょう。

緩和ケアのリハビリを行う専門スタッフ

緩和ケアのリハビリは、緩和ケア病棟や外来などの形で、様々な専門スタッフから多面的に提供されることになります。これら緩和ケアに携わるスタッフを、「緩和ケアチーム」と呼ぶことがあります。
以下、緩和ケアのリハビリを行う専門スタッフ(緩和ケアチーム)を見てみましょう。

医師(身体症状担当)

主に、患者の身体症状に関するマネジメントを行う医師です。具体的には、疼痛や呼吸困難、食欲不振、腹部膨満感、悪心・嘔吐、せん妄などに対し、適切な対応を検討し緩和ケアチームに伝えます。
緩和ケアチームにおいて、特に強いリーダーシップを発揮する立場となります。
立腺がんが他の臓器等へ転移して末期となり、積極的な治療が困難になった場合、医療機関は患者本人やその家族と相談し、緩和ケアという選択肢を提示することもあります。

医師(精神症状担当)

主に、患者の精神症状に関するマネジメントを行う医師です。具体的には、患者が陥っている各種の負の精神症状に対し、薬物療法や精神療法などを通じ、精神状態の安定を目指したコントロールを行います。
患者のみならず、緩和ケアチームのメンバーの心理的負担にも注意を払いながら、必要に応じてメンバー間のコミュニケーションを調整します。

言語聴覚士

主に、患者の嚥下機能のリハビリを担当します。言語聴覚士は、もともと言語機能や聴覚機能のリハビリを専門とする医療スタッフですが、言語機能に関連して嚥下機能も専門領域としてカバーしていることから、がん患者に関わらず、様々な疾病によって嚥下障害を持つに至った患者に対して嚥下指導を行っています。

理学療法士

主に、体力・筋力が低下した患者に対し、運動療法などのリハビリを行います。拘縮した関節可動域の拡大や身体マッサージなど、直接的な施術や指導によって患者の運動機能の維持・回復を目指します。

作業療法士

患者が慣れ親しんできた日常生活での動作を促すことで、日常生活機能の維持・回復をサポートします。箸を持つ、着替える、入浴する、紙を折るなど、簡単ながらも大事な動作を通じたリハビリです。

薬剤師

患者が自覚している疼痛や精神不安定、せん妄、悪心・嘔吐などに対し、適切な薬の処方を支援することで、少しでも患者の悩みを和らげるサポートを行います。薬剤師としての専門的な立場から、あえて非薬物療法の可能性を検討することもあります。

管理栄養士

緩和ケアを受ける患者の多くは、食事や栄養に関する問題を抱えています。ものを食べることは患者自身の健康維持に大事であるばかりでなく、行為そのものが患者のQOL向上につながるため、食事・栄養管理の専門家である管理栄養士の役割は重要です。
食欲不振の患者に対して食べ方の工夫を指導したりなど、栄養面の視点からのリハビリを中心に行っています。

看護師

緩和ケアのリハビリには様々な専門スタッフが関わりますが、直接的に患者と最も多くの時間を共有するスタッフが看護師となるでしょう。
医師の指示に従い、患者に対して各種の医療行為を提供することが看護師の役割となりますが、他にも、患者の話に耳を傾けたり同調したり、家族の思いを受け止めたり、患者と家族との間の調整役になったりなど、看護師は緩和ケア全般に関わる立場となります。

臨床心理士

患者の精神状態の安定を目的に、患者本人との面談や家族との面談、不安の軽減に対する助言など、心理専門職という立場から様々なサポートを行います。
なお、同じく患者の心理面を支えるスタッフとして精神科医も緩和ケアチームに所属することがありますが、精神科医は患者の薬物療法などの「治療」という視点からリハビリを検討することに対し、臨床心理士は患者や家族の不安等を緩和させる「ケア」という視点からリハビリを検討する点で両者は区別されます。

ソーシャルワーカー

緩和ケアに対する経済的な不安、転院などに対する不安、仕事上の懸念、各種社会保障制度など、患者や家族が抱える社会的な側面に対して専門的な助言をし、少しでも心理的に前向きになれるよう支援します。

ケアマネージャー

緩和ケアのリハビリは、緩和ケア病棟に入院する形で受けられる他、患者が希望すれば在宅しながら外来通院したり、自宅に専門スタッフに来訪してもらったりなど、様々な形で受けることができます。
在宅を基本とした緩和ケアのリハビリを希望する場合、一定の条件を満たしていれば、介護保険制度を利用することが可能です。その場合には、ケアマネージャーが中心となり、各種のケアプランの策定や専門スタッフの手配などを行います。
患者を看取った後の家族に対するグリーフケアも、ケアマネージャーが担うことがあります。

緩和ケアの内容

緩和ケア病棟に入院している方や緩和ケア外来に通院している方は、自覚症状や患者・家族の希望などに応じ、専門スタッフから様々なケアを受けることになります。緩和ケアで行われている具体的な内容について見てみましょう。

薬物療法による疼痛緩和

緩和ケアで特に多く行われる内容が疼痛のコントロールです。基本的には薬物療法で疼痛のコントロールが行われますが、痛みの程度により使用する薬物は異なります。
がんの痛みが始まった初期段階で使用される薬物は、アスピリンやインドメタシン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬。それらの抗炎症薬では十分に痛みが緩和されなくなれば、麻薬性鎮痛薬の一種であるコデイン類が併用されます。コデイン類でも十分に痛みが緩和されない状態になれば、より強い鎮痛作用を持つ麻薬性鎮痛薬(モルヒネなど)が選択されます。
患者の症状により、他にも抗うつ薬や抗けいれん薬、神経ブロック、鍼灸療法などが行われることもあります。

放射線治療による疼痛緩和

がんの放射線治療は、一般に「がんの治癒」を目的に行われると理解されていますが、他にも「がんの痛みの緩和」が目的で放射線治療が行われることがあります。前者を根治照射と言い、後者を緩和照射と言います。
緩和照射で期待される効果は、主に疼痛緩和。骨転移による疼痛には、特に高い緩和効果が期待できます。
疼痛緩和の他にも、がんを原因とした出血の止血や麻痺・しびれなどの緩和、気道や消化器の狭窄・閉塞の緩和などに効果的とされています。

その他の方法による身体的苦痛の緩和

薬物や放射線の他にも、様々な方法で緩和ケアが行われています。例えば、がん性の疼痛に対しては、温熱療法や低周波治療も広く行われています。また、呼吸の苦しさを訴える患者に対しては呼吸介助、リンパ浮腫を生じている患者に対するリンパドレナージュなども行われることがあります。

リハビリによる日常生活動作の維持・回復

緩和ケアでは、心身の痛みを和らげるケアの他にも、日常生活動作の維持・回復によるQOL向上を目指し、様々な専門スタッフからリハビリが行われます。緩和ケアにおけるリハビリについては、すでにご説明した通りです。

精神状態の安定に向けた緩和ケア

がんが進行していくと、以前は当然のごとく自分に備わっていた身体機能や社会的なつながりなど、多くのものが少しずつ喪失していくことを経験します。それらの喪失を重ねるごとに、徐々に孤独感や疎外感、焦燥感、不公平感を深めていく患者も少なくありません。
あるいは、責任感の強い患者の中には、自分のことよりも、むしろ自分が居なくなった後の家族の生活を心配する方もいます。
それらの精神的な問題に直面している患者に対し、緩和ケアでは、より精神面を安定させて充実した日々を送れるよう、専門スタッフが様々な支援を行います。すでに説明している通りですが、精神科医や臨床心理士、看護師、ソーシャルワーカーなどが、患者の様々な心の不安に対応しています。

家族の気持ちに対する緩和ケアで不安を和らげる

緩和ケアが始まると、患者本人だけではなく、患者本人を見守る家族もまた心が穏やかではありません。近い将来、家族を失うかもしれないという不安に対し、家族は、どのように自分の心を保てば良いのか分からないという状況に陥ることもあります。また、不安やストレスから不眠や食欲不振となり、体の健康を害してしまう方もいます。
緩和ケアでは、患者本人に対してだけではなく、患者の家族もケアの対象です。必要に応じ、家族と定期的に面談を行ったり各種アドバイスを行ったりなど、家族の心身に向けたサポートを行っています。

がんの治療段階によってリハビリの内容は異なる

緩和ケアのリハビリは、終末期のがん患者だけが受けるものではありません。がんと診断された全ての方が、治療による合併症や後遺症などの予防のため、緩和ケアのリハビリの対象とされます。
緩和ケアの段階に応じたリハビリの内容・目的を見てみましょう。

【がん診断直後】予防的リハビリテーション

がんと診断された後、すぐに行うのが予防的リハビリテーションです。がんの治療前から行われることもあります。機能障害は見られない段階であることが一般的なので、以後、機能障害が発現しないことを目的に予防的リハビリテーションが行われます。

【がん治療直後】回復的リハビリテーション

がんの治療が終わった後、残存している機能や体力の回復を最大限に促すため、回復的リハビリテーションが行われます。

【がん進行中】維持的リハビリテーション

がん再発・転移などの影響で機能障害が進行中の患者に対し、運動能力や移動能力の維持・改善などを目的として維持的リハビリテーションが行われます。

【がん末期】緩和的リハビリテーション

がん末期の患者がQOLの高い生活を送れるよう、患者本人や家族の希望を尊重しながら、身体的・精神的・社会的な面から様々な緩和的リハビリテーションが行われます。

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