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がん以外にも緩和ケアは可能?

在籍するか確認すべき?緩和ケア認定看護師とは?

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緩和ケア認定看護師について知ろう

緩和ケア認定看護師とは?

緩和ケアは、主にがん患者さんとその家族を対象とし、QOL(生活の質)を維持・向上させるために身体的・精神的・社会的・スピリチュアル的な痛みを緩和、または予防するケアのことを指します。
緩和ケア認定看護師は、緩和ケアにおける深い知識と技術を有し、患者さんやその家族に有益となる看護を提供するとともに、現場の看護師の指導や相談を受ける、いわゆる緩和ケアのプロとしての役割を担っています。
緩和ケアは直接的な治療・看護のアプローチではなく、患者やその家族に寄り添って全人的かつ多角的に行うケアであることから非常に難しく、さらにがん患者に限らずさまざまな疾患を有する全ての患者に対してもケアの概念(苦痛の軽減・QOL向上)は通じているため、医療機関における緩和ケア認定看護師の必要性は年々増加しています。

緩和ケア認定看護師ができること

緩和ケア認定看護師の役割は、「トータルペインの視点」をもって患者さんの痛みを緩和するケアにあたることです。
トータルペイン(全人的苦痛)とは、身体的要因・精神的要因・社会的要因・スピリチュアルな要因などの多面的なファクターから患者の痛みを捉えようとする概念です。つまり、幅広い視点から患者の痛みを把握、理解することが「トータルペインの視点」であるといえるでしょう。
また、患者さんだけでなくその家族の痛みにも寄り添いながら、「その人らしく、その家族らしく」暮らせるようにサポートするのも緩和ケア認定看護師の役割です。
人はそれぞれ異なる価値観のライフスタイルをもっているため、緩和ケアに「これが正しい」という正解はありません。そのため、緩和ケア認定看護師がまず行うべきは、患者や家族の話に耳を傾けること。その上で、これまでの経験や知識、技術を駆使し、「トータルペインの視点」でその痛みをアセスメント(数値化・データ化・査定)することが求められます。

21の認定看護分野

認定看護分野とは、保健、医療及び福祉の現場において熟練した看護技術及び知識を必要とする看護分野として、日本看護協会が定めたものをいいます。 現行の認定看護分野には、緩和ケアを含め21の分野があります。(2026年度をもって教育終了。2020年度からは19分野で教育が開始となっています。)

分野名 知識と技術(一部)
救急看護 ・救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
・災害時における急性期の医療ニーズに対するケア
・危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援
皮膚・排泄ケア ・褥瘡などの創傷管理およびストーマ、失禁等の排泄管理
・患者・家族の自己管理およびセルフケア支援
集中ケア ・生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防
・廃用症候群などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーションの実施
緩和ケア ・疼痛、呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和
・患者・家族への喪失と悲嘆のケア
がん化学療法看護 ・がん化学療法薬の安全な取り扱いと適切な投与管理
・副作用症状の緩和およびセルフケア支援
がん性疼痛看護 ・痛みの総合的な評価と個別的ケア
・薬剤の適切な使用および疼痛緩和
訪問看護 ・在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理
感染管理 ・医療関連感染サーベイランスの実践
・各施設の状況の評価と感染予防・管理システムの構築
糖尿病看護 ・血糖パターンマネジメント、フットケア等の疾病管理および療養生活支援
不妊症看護 ・生殖医療を受けるカップルへの必要な情報提供および自己決定の支援
新生児集中ケア ・ハイリスク新生児の病態変化を予測した重篤化の予防
・生理学的安定と発育促進のためのケアおよび親子関係形成のための支援
透析看護 ・安全かつ安楽な透析治療の管理
・長期療養生活におけるセルフケア支援および自己決定の支援
手術看護 ・手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
・周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践
乳がん看護 ・集学的治療を受ける患者のセルフケアおよび自己決定の支援
・ボディイメージの変容による心理・社会的問題に対する支援
摂食・嚥下障害看護 ・摂食・嚥下機能の評価および誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の予防
・適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択および実施
小児救急看護 ・救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
・育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護
認知症看護 ・認知症の各期に応じた療養環境の調整およびケア体制の構築
・行動心理症状の緩和・予防
脳卒中リハビリテーション看護 ・脳卒中患者の重篤化を予防するためのモニタリングとケア
・活動性維持・促進のための早期リハビリテーション
・急性期・回復期・維持期における生活再構築のための機能回復支援
がん放射線療法看護 ・がん放射線治療に伴う副作用症状の予防、緩和およびセルフケア支援
・安全・安楽な治療環境の提供
慢性呼吸器疾患看護 ・安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸器機能の評価及び呼吸管理
・呼吸機能維持・向上のための呼吸リハビリテーションの実施
・急性増悪予防のためのセルフケア支援
慢性心不全看護 ・安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた生活調整及びセルフケア支援
・心不全増悪因子の評価およびモニタリング

緩和ケア認定看護師の資格取得方法

緩和ケア認定看護師になるためには、まず看護師として5年間の実務経験を得なければなりません。また、そのうち3年以上は緩和ケアに関わる経験が必要です。この実務経験の条件をクリアしたのち、認定看護師教育課程を修了する必要があります。

教育機関で研修を受けるためには合計で90万円ほどの費用がかかります。また、教育課程修了後の認定試験や認定手続きにも別途お金がかかるため、認定看護師を名乗るまでにはだいたい100万円の費用が必要と考えておくのが良いでしょう。

試験の詳細や教育機関については、公益社団法人日本看護協会のサイトに詳しく載っています。

・公益社団法人日本看護協会「認定看護師」ページ

緩和ケア認定看護師の現状と課題

放射線治療・化学療法・手術療法・緩和ケアなどのがん治療の多様化、外来化学療法の導入やがんの告知・病状説明の外来業務への移行といった看護業務の多様化を背景に、緩和ケアへのニーズは高まっていますが、実施される教育(教材なども含めて)が均一化されておらず、教育の質が担保されていないのが現状です。
「がんと診断された時からの緩和ケア」を実現するためには、医師だけでなく看護師のケアの充実が求められています。

緩和ケア認定看護師の声

その人らしく生きる支えになれれば

看護を実践する上では、患者さんが"その人らしく"日常生活を送ることができるように支援することを大切にしています。人にはそれぞれの価値観やライフスタイルがあるため、これが正解という看護はありません。その中で、患者さんとご家族の話を聞き、専門的な知識や技術を活かして最善の対応ができるように努めています。そのひとつとして行っているのが「緩和ケア相談」です。がん看護専門看護師をはじめとする看護のスペシャリストや多職種と連携して、指導・アドバイスを行っています。また、緩和ケアチームのメンバーとして、がんに伴う身体的・精神的苦痛の緩和にあたっています。その他にも新人看護師の教育や緩和ケアに関する勉強会、病棟看護師に対するコンサルティングなども行っています。
疾患を抱える患者さんやご家族に対して、トータルペインの視点でアセスメントを行い、その人に合ったケアを提供できるよう実践しています。 病気を抱えながらでも、患者さんがその人らしく生活ができることを大切にしています。それぞれの価値観があって正解がないので、患者さん・ご家族はもちろん多職種で話し合いをしながら、その人にとって何が良いのか検討しながらケアを行っています。

「対話」を大切にしたい

患者さんやご家族との対話を大切にしています。実際に話してみると、私たち医療者の認識とは違う思いを抱かれているんだなと感じることがあります。対話を通して相手の考えや思いを理解することは、その人らしく過ごすことを支援するための第一歩だと考えています。
一人暮らしをされていた肺がんの患者さんが、骨転移の影響でほぼベッド上での生活となっていました。身内は不在で、医療者の認識は独居の生活に戻るのは難しいというものでした。本人はどのように感じているのだろうと気になってお話を伺うと、「誰かの力を借りてなら一人でも生活できる。リハビリも頑張るから家に帰りたい。死ぬなら家で死にたい。」と自宅退院を強く希望されました。そこで、医師やリハビリスタッフと情報を共有し、リスクを承知した上でのリハビリが開始となりました。「自分で車椅子乗車ができること」を目標としてリハビリに励まれた結果、自助具を使用して車椅子移乗ができるようになりました。医療ソーシャルワーカーや地域包括部門と連携して調整した結果、患者さんは最期まで自宅で過ごすことができました。患者さんの思いを確認するために対話したことがきっかけとなり、患者さんの望む療養場所を整えることができたこの経験を通して、情報を共有し、希望の実現に向けてチームで関わることの大切さを学びました。

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