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モルヒネによる緩和ケアの安全性や鎮静との違い

がんで緩和ケアを受けている患者さんにできる声かけとは?

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がんの闘病をしたり緩和ケアを受けたりしている患者さんに対し、ご家族はどのような声かけをすべきでしょうか。
また、医師から患者さんの余命が宣告された際、ご家族はこれをどのように受け止め、何をすれば良いのでしょうか。

デリケートなテーマではありますが、患者さん本人のためにも、遺されるご家族は気持ちを強く持って現実に向き合った行動が必要となります。

がんと闘病している人に、家族はどのような言葉をかければいいのか

まずは、がんと闘病している患者さにご家族がかけるべき言葉、および患者さんの余命を前提にしたご家族の対応について考えてみます。

励ましの言葉よりも共感の言葉のほうが響くこともある

よく言われることですが、がんで闘病中の患者さんに対し、軽率な励ましに聞こえる言葉は避けたほうが良いでしょう。

例えば「がんばってね」「顔色が良くなってきたから治るんじゃない?」などという言葉は、家族としては患者さん本人を前向きにするための精一杯の励ましかもしれません。
ですが、逆に患者さん本人は「自分の気持ちなんて家族も分かってくれない」と感じてしまう可能性も。「もっと前向きに生活していこうよ」という力強い言葉も、患者さん本人には軽々しく聞こえてしまうでしょう。

がんの闘病中の患者さんへ投げかける言葉に正解はありませんが、大きな傾向としては、励ましの言葉よりも共感の言葉のほうが患者さんには心の安らぎにつながるようです。
「つらかったね」と言って共感したり、患者さん本人と一緒に涙を流したりなどです。

【誤解2】モルヒネを繰り返し投与されている間に廃人になるのでは?

モルヒネは麻薬の一種であり、一般的に麻薬は危険な違法薬物として認識されています。また、違法薬物である麻薬を常習した場合、やがて体がボロボロになり廃人と化す、というイメージもあります。
確かに麻薬を不適切に使用すると、覚醒剤やコカインと同様、非常に危険です。廃人になる可能性もあるでしょう。
ですが、がんの緩和ケアの一環としてモルヒネを使用する場合には、医師の管理のもとで適切に使用されます。

臨床的にも安全性が確立されているため、疼痛緩和を目的としたモルヒネで廃人になることはありません。

患者さんの性格に鑑みつつ、なるべく励ましではなく共感の言葉を選ぶようにしましょう。

者さん本人に余命のことを伝えるべきか家族で話し合う

余命宣告は患者さん本人に伝えられるとは限りません。
以前よりも事例は少なくなってきたものの、現在でも「家族のみに余命宣告をする」という医師も少なくありません。

もし、ご家族だけが本人の余命を知らされた場合、本人に余命を伝えるべきかどうかをご家族全員で話し合いましょう。
基本的には患者さんに伝えるご家族が多いようですが、必ず伝えなければならないものでもありません。本人の性格や人生観に鑑み、ずっと内緒にしておくという選択肢もあるでしょう。

ただし、本人に余命を伝えないままで過ごす場合、本人を含めた最後の思い出作りをやりにくくなるなど、以後の様々な場面に支障が出る可能性もあります。
本人に余命を伝えるべきかどうかは、総合的な視点で判断したいものです。

余命宣告された際のご家族の心の持ち方

大切な人の余命宣告がされると、ご家族は当面の間、激しく動揺するかもしれません。考えれば考えるほど何をどうすれば良いのか、心が混乱してしまうこともあるでしょう。

そのような心の混乱を、無理に正そうとする必要はありません。
まずは心を落ち着かせることを目指し、焦らず、正常な判断ができる状態となってから次のことを考えます。

心が落ち着いてきたら、状況を悲観したり過去を後悔したりするのではなく、今後いかにして患者さん本人と寄り添って生きていくべきかを考えます。患者さんとご家族がともに充実した日々を送っていける方法を考えながら、少しずつ前向きな気持ちへと変えていきましょう。

相続・遺言書の準備

患者さん本人とご家族が協力し、可能な限り細かく財産の状況を明らかにしておきましょう。

プラスの財産だけではなくマイナスの財産、つまり借金がある場合でも、包み隠さず明らかにする必要があります。
患者さん本人に相続での按分の意思があるならば、遺言書を作成しましょう。

親族同士での相続トラブルを防ぐため、必要に応じて弁護士や税理士などの専門家に相談します。

生命保険の契約内容に関する確認

患者さん本人が生命保険に加入している場合には、保険会社に連絡をし、保険金の金額や手続きの段取り、特約の有無などを改めて確認しましょう。

リビングニーズ特約を付帯させていた場合、生前に患者さん本人が保険金を受け取ることも可能です。

何か困ったことがあればケアマネージャーや訪問看護師へ相談

他に何か困ったことがあれば、担当のケアマネージャーや訪問看護師などに相談してみましょう。
患者さん本人には聞きにくい葬儀の相談についても、適切に答えてくれることでしょう。

がん看護専門看護師とは

公益社団法人日本看護協会では、患者さん本人やその家族に対して水準の高い看護ケアを提供する目的で、特定の分野における看護の専門資格制度を用意しています。

2023年1月現在、協会が認定している看護の専門資格は14種類。そのうち、もっとも最初に設置された専門資格が「がん看護専門看護師」です。

がん看護専門看護師の役割は、がん医療におけるすべてのプロセス(インフォームドコンセント、治療、副作用、遺伝、療養など)において、高い専門的知識・技術により患者さんとご家族をサポートすること。
在宅療養中の患者さんに対しては、終末期まで定期的に訪問看護を行うことも可能です。

がんの在宅療養に欠かせない訪問看護師

がんの療養は入院・通院・在宅のいずれでも可能ですが、在宅を選んだ場合に欠かせないサービスの1つが訪問看護。
訪問看護ステーションなどの看護師が定期的に自宅を訪問し、心身のケアや患者さんやご家族からの各種相談対応など、在宅療養の様々な側面をサポートするサービスです。

訪問看護の対象となる患者は、進行がんの方に限りません。
例えば大腸がんの手術を受けた方に対するストーマの管理、認知症の方に対する抗がん剤の服薬管理など、必要に応じて柔軟に看護サービスを提供しています。

なお、訪問看護を受けるにあたり、医療保険と介護保険のどちらでも利用が可能です。
基本的には介護保険を利用する形となりますが、介護保険の対象とならない40歳未満の患者さんなどは医療保険で訪問看護が提供されます。

医師が「がん末期」と判断した場合や「特別指示書」を出した場合には、医療保険を使って週4回以上の訪問看護サービスを受けることもできます。

がん治療の基本

がん治療の基本について確認しておきましょう。

手術

がんに対してもっとも有効とされる治療が、がん細胞の摘出手術です。

転移が確認されていない部分的ながん細胞をしっかりと摘出できれば、がんが完治する可能性も高まります。

薬物療法(化学療法)

薬物によってがん細胞を攻撃したり、再発を予防したりする治療が薬物療法(化学療法)です。

薬物療法に使われる薬には、がん細胞の増殖を防ぐ「細胞障害性抗がん薬」、ホルモン分泌を抑えてがん細胞の増殖を防ぐ「内分泌療法薬」、がん細胞の増殖に関わるタンパク質等を攻撃する「分子標的薬」があります。

放射線治療

エックス線や電子線、ガンマ線などの放射線を照射し、がん細胞を直接破壊する治療法です。

周辺の正常細胞も同時に破壊してしまうことによる副作用が懸念される治療法ですが、近年では正常細胞にほとんどダメージを与えないタイプの放射線治療も登場しています。

免疫療法

がんに対する免疫力を強化し、がん細胞の増殖を抑える治療法です。

手術、薬物療法、放射線療法に続き「第4のがん治療法」として、近年ではその一部が保険適用となるなど、がん治療現場における導入が急速に拡大しています。
ノーベル賞を受賞したことで話題となった「オプジーボ」も、がん免疫療法に利用されている「免疫チェックポイント阻害剤」の一種です。

緩和ケア

がんと診断された患者さんのQOL向上を目的に、ステージにかかわらずすべての患者さんが受けられるケアを総称して緩和ケアと言います。
身体的苦痛の緩和だけではなく、精神的苦痛の緩和も目指す総合的なケアです。

がん診断直後で落ち込んでいる患者さんの心を支えることから、がんの終末期において耐えがたい苦痛を訴える患者さんに対してモルヒネ(医療用麻薬)を投与することまで、緩和ケアの役割は非常に多彩。入院、通院だけではなく、在宅で緩和ケアを受けることもできます。

なお、緩和ケアの一種となるモルヒネ(医療用麻薬)は、医師の適切な管理のもとで投与される限り、患者が薬物依存症や廃人になる恐れはまったくありません。

私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』