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がん以外にも緩和ケアは可能?

介助者のペースになってはいけない緩和ケアの看病について

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家族ができる6つの具体的な看病

1. 食事について

緩和ケアの役割は、患者さんおよびその家族のQOL(生活の質)を維持・改善することにあります。
普段の生活において「食べる」ということは人間の基本的欲求の一つを満たすものであり、生きる上で幸せを感じられる行為。つまり、食事をする喜びを感じることは、QOLの維持と改善に非常に重要です。
少しでも食事を口にしている人の方が、経管栄養などで栄養を補給している人よりも元気でいる傾向にありますが、人の身体には2~3日食事がとれなくても何とか乗り越えられる仕組みがあります。
「気分が良い時に」「食べられる量で」「食べられるものを」という気持ちで、食事に関してリラックスした気持ちでいることが大切です。
重要なのは、「食べたい時にタイミング良く食事を出す」ということですが、これが家族や看病にあたる方にとって課題になります。
一口大のおにぎりや、本人の好きなおかずを小分けにしたものを冷凍しておき、さっと出せるようにしておくと負担が軽くなります。本人に、「食べたいメニュー」「これなら食べることができる(と思える)メニュー」を聞いておき、作り置きして冷凍や冷蔵保存しておくのも良いでしょう。

2. 排泄について

排泄は、単純に現象だけでなく、羞恥心や自尊心に関わってくる問題です。患者さんの自尊心が傷つくことを「スピリチュアルな苦痛」と表現する場合すらあります。
自尊心が関わる問題はとてもデリケートで取り扱いが難しいとされています。家族であっても、排泄の世話にはなりたくありません。むしろ家族であればこそ、世話になりたくないのかもしれません。
デリケートな問題に対し、直接問題解決策を提案すると拒絶されがちです。
では、どのような方法がよいのでしょうか?
排尿回数の記録を紙に書いてもらえば、どれぐらいトイレに行っているか客観的にも評価できるようになるのでおすすめです。患者さんご自身で記録を取れるようであれば、取っていただくのもよいでしょう。
実際に記録を取ると排尿の問題を自覚できるようになるので、例えば排尿回数が多ければ「夜何度もトイレに行くのは大変だから、夜間だけでもオムツを使ってみよう」「ポータブルトイレを使ってみよう」といった提案がスムーズにできるようになるでしょう。
がんの進行に合わせて、排泄にトラブルが生じるのは自然の流れ。患者さんが少しでも楽に過ごせるようサポートしたいものです。

3. 入浴について

入浴にはストレス解消をはじめとする様々な効果があることを、多くの人が体験的に理解していると思います。また日本人にとっては、浴槽につかり心身を癒す行為は、生活文化の一部とも言えるでしょう。医学的研究からも、入浴によって痛みや心機能が改善するなどの効果を得られることが示されています。
身体の清潔保持は感染予防にもつながりますし、身体が温まる入浴にはリラックス効果も期待できます。スキンシップを図りながら行う清拭や入浴は、患者さんと介護者であるご家族を繋ぐ大切な時間。一方で介護負担も大きくなるため、無理せず周囲のサポートも活用するようにしましょう。

4. 清拭について

清拭は、温めたタオルやガーゼなどで身体を拭いて清潔にするケアのこと。寝たきりの場合には、褥瘡ができていないか皮膚状態を確認できるというメリットもあります。
ベッド上で清拭を行う場合には、体の部分ごとに分けることがポイント。拭く部分だけを露出させ、身体が冷えないように気を付けましょう。一度に全身を行うのでなく、日によって清拭部分を分ければ介護負担を軽減することもできます。
可能な場合は洗面器にお湯を張り、足浴をするのもおすすめです。体力が無く浴槽につかるのは難しい場合でも、患者さんに満足感を与えることができます。家族にとって、患者さんが気持ちよさそうにしている姿は大きな喜びへとつながるでしょう。

5. 口腔ケアについて

患者さんには、全身状態の悪化、経口摂取量(食事の量)の低下、セルフケア能力の低下などにより、多数の口腔内の問題が生じます。特に患者さんのほとんどが認めているのが「口腔乾燥」という症状です。
がん進行期の患者さんの約80%、終末期の患者さんの40%以上に口腔乾燥が認められるとするデータもあります。しかし、根本的な治療法が無いため、医療現場においては口腔乾燥に苦しむ患者さんが多数いらっしゃいます。
口腔乾燥は口腔内の自浄作用(キレイにする能力)の低下、摂食嚥下機能(飲み込み)障害、口腔内の違和感・疼痛増大、義歯の適合不良(入れ歯の合いにくさ)、味覚障害とも大きく関わりがあり、最終的には感染症リスクの増大、QOL(生活の質)を低下させます。
お口の中には700種類以上もの細菌が生息しています。普段は悪さしない細菌も、手術、抗がん剤、放射線治療などで体力が落ちた際には肺炎や口内炎などの様々な合併症を発症しやすくなります。
お口の中を清潔にして細菌数を少なくすることで、合併症のリスクを減らすことができます。日頃からお口のお手入れを行い、口腔環境を整えてあげましょう。

6. 対話について

患者さんは闘病中様々な不安を抱えることになりますが、ご家族が話を聞いて寄り添うことが患者さんの支えになります。生活のアドバイスなどではなく、ただ話を聞いて共感することに人はホッとします。また、そばにいるだけでも安心感がありますので、「うまくサポートできているだろうか…」と不安にならず、なるべく話を聞く、そばにいる、これを心がけると良いでしょう。
療養の方針を決めるためには、当然のことですが、患者さん本人の気持ちを知ることが何よりも大切です。本人の率直な気持ちや希望を把握するのには時間がかかることもありますが、ここをなおざりにするとその後の生活や療養の方針が見極めにくくなります。本人の不安や疑問、辛い気持ちに耳を傾けながら、聞き方や話題を工夫して具体的な意向を聞いていきましょう。
同時に、あなたの気持ちや考えも伝えて、共有していくのが大切。残された人生をどのように生きたいのか、家族とどう過ごしたいと考えているのか、どのような療養を望んでいるのか。本人の想いや希望を把握することは、在宅での療養の基本的な方針や方法を決定していく上でなくてはならないものです。
本人との対話を重ねながら、残りの人生や療養をよりよいものにしていきましょう。

最期の緩和ケアにおける看病

最期が近づいた患者さんの状態

最期のときが近づくと、身体からサインがあらわれます。それは主に、意識の低下(刺激や痛みなどへの反応がなくなる)や呼吸の変化。こうしたサインを初めて目にすると驚かれて、気が動転するかもしれません。それが自然な変化であることをあらかじめ知っておくと、落ち着いて向き合うことができるようになることでしょう。
具体的な「兆(きざ)し」には、以下のようなものがあります。

・ものを食べられなくなる
・水をほしがる
・葬儀など、自分の死後の事柄を気にし始める
・横になる時間が長くなる
・すでに故人となっている家族や知人について語る(お迎え体験)
・会話がちぐはぐになる
・トイレに立てなくなる
・この世ならぬものを見ているようなまなざしになる
・周囲の人にお別れの言葉を口にする
・一時的に食欲が戻ったり、意識がはっきりする(中治り)
・眠る時間が長くなる、無呼吸が現れる
・手足が冷たくなる

患者さんの変化を見守り続けるのは辛いことではありますが、後悔の無いよう、寄り添ってあげられる時間を大切にしてください。

終末期の患者さんの痛み・苦しみ

終末期に患者さんや家族が抱えがちな苦痛は、主に次の4つに分類されます。これらは相互が関連し合って、「全人的苦痛」と捉えられています。

1.身体的苦痛

疼痛、倦怠感、呼吸困難、浮腫などの身体症状に起因した苦痛です。原因を見極め、対症療法によりできるだけ早く苦痛の緩和を図ることが大切です。

2.精神的苦痛

迫りくる避けられない死を前に、不安、孤独、恐怖、抑うつなどを感じることが多くなります。これらを起因としたせん妄を起こす場合もあります。また、脳そのものの機能不全によるせん妄を生じることもあります。

3.社会的苦痛

仕事上の問題、家族やコミュニティからの離別や役割の変更にまつわる問題、家庭内の問題、経済的な問題などにより感じる苦痛があります。

4.スピリチュアルな痛み

自分が生まれた意味、人生の意味、病になった意味、この苦しみの理由など、精神よりも深いところから生じる苦悩を表します。

行動や話の変化

寝ている時間が長くなり、呼びかけに対し反応が乏しくなる

たとえ何も反応が無くても、患者さんに直接話しかけ、患者さんが聞こえているように話してあげましょう。患者さんの多くは、話すことができなくても話していることは分かります。反応しないからといって、患者の身体を揺さぶったりしてはいけません。

時間やどこにいるか、人が誰か分かりにくくなる。

患者さんの様子が落ち着かなくなり、その場にいない人が見えたり、違う場所にいるというような主張をされるかもしれません。あるいは、もう亡くなった家族や大切な人たちの姿が見え、その人の声を聞いたり話しかけたりするかもしれません。寝具や自分の服を引っ張ることもあります。そんな時には、今はいつで、誰がそばにいるかを優しく教えてあげましょう。落ち着いて、患者さんを安心させてあげてください。見えているものが現実ではないと納得させる必要はありません。

口数がとても少なくなり、問いかけへの反応が遅くなる。

患者さんに話しかけることは辞めず、そばにいることを伝え続けるようにします。患者さん本人は意識もあって声も聞こえているけれど、反応できないだけなのかもしれません。専門家の中には、そのまま休んでいて構わないことを伝えてあげるのが患者さんのためになると言う方もいます。

食事でできること

終末期には、痛みや倦怠感、呼吸苦など病気の進行に伴い、様々なことができなくなっていきます。症状に起因するものや治療に関すること、精神的なことから食事も食べられなくなっていきますが、そんな中でも、終末期の患者さんが少量でも自分で選んだ食物を食べるということは、最も身近な自己決定、自己実現の一つ。終末期の患者さんが本当に食べたいものを選び、味わうことができれば、死を待つだけの時間から一転し、自分の思いを実現し満たされた心地よい時を過ごすことができ、それは終末期の患者さんにとって重要な意味をもつでしょう。

患者さんのストレス、緊張などに寄り添う

死が近いとしている患者さんほど、精神的にも心にもストレスを抱え、身体的にも緊張した状態にあります。

患者さんが拒否することを無理に勧めるようなことをしたり、介助者のペースで看病をしていくことはよりストレスにもなります。

今はどういったことを求めているのかであったり、逆にいまは何が嫌なのかをコミュニケーションをしっかり取って、難しい場合は汲み取って看病を行うことも大切です。
しかし、看病するあなた自身も患者さんと同様にストレス、緊張を見えないところで抱えていることもあるでしょう。

焦らずゆっくりを心がけて看病していくことを意識し、互いに少しでも気持ち良い状態でいられるよう周りにも頼りながら行ってみてください。

私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』