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コロナ禍における緩和ケアの課題と在宅ケア

コロナ禍における緩和ケアの課題と在宅ケア

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コロナの影響により起こっている緩和ケアの質の低下や面会の制限などの問題点、在宅での緩和ケアをするにあたっての基本的な準備や費用、心構えを解説しています。

コロナと緩和ケアに直面する問題

ケアの質低下

コロナの影響を受け、緩和ケアへの質の低下を感じている病院が7割を超えています。

・ 患者さんやご家族と対面しても、短時間なので丁寧な問診や観察ができない
・ ご家族との電話での聞き取りでは、表情や動作の変化によるお気持ちやお考えを把握しにくい
・ がんサロンや患者会などの中止により、患者さんやご家族同士の情報交換の場が減った

…など、密を避けるために起きているコミュニケーション不足の問題が大きいようです。

※参照:時事ドットコムニュース「7割超「緩和ケアの質低下」 病院回答、コロナ影響で―NPO調査」

面会の制限など

面会に関しても時間制限や人数制限があり、患者さんとご家族がゆっくり過ごせない状況が続いています。
頻繁にご家族と会えなくなったことによって、患者さんの認知機能が衰えたり、患者さんの笑顔が減ったりということも起きています。

面会の制限がある中で、代替えとしてオンライン面会を実施している病院もあり、顔が見られる・声が聞ける喜びは得られますが、患者さんの手を握ったり身体をさすったりと、直接触れ合えないもどかしさが残ります。

面会制限にとどまらず、1割を超える病院が緩和ケア病棟の閉鎖や休止の対応をとっています。
また、緩和ケア病棟の個室に入院していた患者さんに一般病棟へ移動してもらい、個室をコロナ患者向けに転用している病院もあります。
一般病棟に移った結果、個室にいたときと同等のケアが受けられないという問題も生じているのです。

在宅緩和ケアに必要な一般的な準備

在宅医とケアマネジャーを探す

まずは在宅緩和ケアの要となる「訪問診療」をしてくれる医師(在宅医)と、介護に関することを相談できるケアマネジャーを探しましょう。

在宅医やケアマネジャーは、全国のがん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」、各地域に設置されている「地域包括支援センター」、病院内に設置されている「○○相談室」「患者支援センター」などで探すことができます。

介護保険の申請

介護保険の申請は、お住まいの市区町村の役所の介護保険の窓口または地域包括支援センターで行えます。
申請に必要なものは、介護保険被保険者証・健康保険被保険者証(特定疾病をもった40~60歳の方)・主治医がわかるもの(診察券など)です

ご自宅の環境を整える

緩和ケアがしやすいように、以下のポイントをふまえて環境を整えましょう。

1.患者さんのお部屋
・電動の介護ベッドを用意するのか、布団やすでにあるベッドを使用するのか
・ケアをするにあたって必要なものが置けるか、または難なくケアができるスペースがあるか

2.トイレや浴室
・手すりの取り付け
・和式トイレの場合、据置式の洋式便座の設置やお部屋にポータブルトイレの設置

3.別室にいるご家族を呼ぶ手段
・呼び鈴やワイヤレスのチャイムなど(体調が悪く声が出せない場合に備える)

在宅緩和ケアの一般的な費用(概算)

在宅緩和ケアを行う際の費用は、在宅医の往診費や訪問看護費、薬代などの医療費、介護サービスを利用した場合の介護費の2つに分けられます。

医療費

医療費は、1週間ごとに一定額に決まっている「在宅がん医療総合診療料」と、往診の回数や行った医療行為によって算出される「出来高制の料金」の2種類があります。
医療費とは別に、ガーゼなどの衛生材料費、医師や看護師の交通費といった保険適用外の費用が発生しますので、注意が必要です。

在宅緩和ケアにも高額療養費制度が適用されますし、同一世帯で同じ医療保険に加入していれば、かかった医療費を数人分合算して計算することで医療費をさらに抑えることも可能です。

各年齢や年収によっての上限額は以下の表の通りです。

年齢 年収 月単位の上限額 多数回該当
69歳以下 年収約1,160万円~ 252,600円
(医療費‐842,000)×1%
140,100円
年収約770~約1,160万円 167,400円+
(医療費‐558,000)×1%
93,000円
年収約370~約770万円 80,100円+
(医療費‐267,000)×1%
44,400円
~年収約370万円 57,600円 44,400円
住民税非課税 35,400円 24,600円
70歳以上 年収約1,160万円~ 252,600円
(医療費‐842,000)×1%
140,100円
年収約770~約1,160万円 167,400円+
(医療費‐558,000)×1%
93,000円
年収約370~約770万円 80,100円+
(医療費‐267,000)×1%
44,400円
~年収約370万円 18,000円 / 57,600円 44,400円
住民税非課税 8,000円 / 24,600円 24,600円
住民税非課税
(年収80万円以下)
8,000円 / 15,000円 24,600円

※参照元:厚生労働省(高額療養費制度を利用される皆さまへ)

※多数回該当とは、同一世帯で直近1年間に3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目以降はさらに限度額が下がり負担が軽減されることを指します。

介護費

介護費が発生した場合は介護保険が適用され、自己負担は原則1割。
前年度の所得金額によっては2~3割の自己負担となる場合があります。

1ヶ月あたりのサービス利用限度額は以下の表の通りです。

要支援1 50,030円
要支援2 104,730円
要介護1 166,920円
要介護2 196,160円
要介護3 269,310円
要介護4 308,060円
要介護5 360,650円

※参照:厚生労働省(介護事業所・生活関連情報検索)

限度額を超えた費用は全額自己負担になります。
限度額を超えないよう、ケアマネジャーと相談して必要なサービスを決めましょう。

在宅緩和ケアでご家族がすべきこと、心構え

在宅での緩和ケアを行う場合、ご家族の誰かが中心になって進めて行くことになるかと思います。
中心となった方は、一人で全てを背負いこまないことが肝要。
また「本人の方がもっとつらいはずだ」と我慢してしまうことなく、理解者や協力者を一人でも増やしておくことが大切です。
協力してもらえる人がいるならば、遠慮なく力を借りましょう。
ちょっとした話を聞いてくれる人がいるだけでも、ガス抜きや支えになるはずです。

患者さんがどうしたいのか、何を望んでいるのかが緩和ケアで何かを決める上での基準となりますので、患者さんが率直に気持ちや考えを言いやすい、という関係を築くことも大切です。
面と向かっては言いにくい…という方なら、ノートなどに書いてもらうと良いでしょう。
患者さんとご家族の間で意思疎通をしっかりとることで、より良い在宅での緩和ケアが行えます。

またご親戚の方とは、患者さんの意思や緩和ケアに対しての理解不足からトラブルになることも考えられます。
病状が悪化した際に、ご親戚の方が「入院させた方がいいのでは」と切り出され揉めるケース、緩和ケアは何もしていないように見え「何もしていないのか」と責められるケースなどが起こりえます。
ご親戚の方々には「患者さんがどんな思いや考えで在宅での緩和ケアを希望したのか」「在宅緩和ケアとはどういうものなのか」理解して納得してもらうことも重要です。
ときには在宅医や看護師、ケアマネジャーからも「緩和ケアの内容」「病状が悪化したときには、入院でも在宅でも医療的にできることは変わらないこと」などを説明してもらうと良いでしょう。

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