がん末期でお悩みならクリニックC4。末期がん、多発転移でもクリニックC4のトモセラピーなら治療の可能性があります。

〒151-0062 東京都渋谷区元代々木町33番12号

がん以外にも緩和ケアは可能?

緩和ケアとホスピスケアは治療を受ける人・内容が違うの?

トップページ >> 緩和ケアに関する記事一覧 >>  緩和ケアとホスピスケアは治療を受ける人・内容が違うの?

緩和ケア病棟とホスピスの違い

結論から言うと、緩和ケア病棟とホスピスに大きな違いはありません。
一般的に緩和ケア病棟は「心身のつらさをコントロールして、できる限り普段通りの生活を送れるようにすること」を目的としています。
一方で、ホスピスは「最期まで患者の希望通りに生きられるよう全人的ケアをすること」を目的としています。

ともに国が定めた基準を満たした施設である限り、提供される医療ケアの内容に大きな違いはありません。
また、費用にも大差はありません。

あえて両者の違いを挙げるとすれば、ケアが提供される対象者となるでしょう。
緩和ケアは「がんと診断された時から終末期」までの患者を対象としていますが、ホスピスケアは「治癒が望めない時期から終末期」までの患者を対象としています。

緩和ケア・ホスピスケアと「ターミナルケア」の違い

緩和ケアとホスピスケアには、実質的に大きな違いはありませんが、緩和ケア・ホスピスケアと「ターミナルケア」には違いがあります。

まず、緩和ケア・ホスピスケアが基本的にがん患者を対象としていることに対し、「ターミナルケア」は、がん以外のあらゆる病気の患者(治療が望めない時期から終末期)も対象としています。
病気による心身の苦痛を和らげることを目的とする点では緩和ケアもホスピスケアも「ターミナルケア」も同じです。

しかし、「ターミナルケア」は「無駄な延命措置を行わず尊厳のある死を迎えたい患者をサポートする」というニュアンスが強いという違いがあります。

緩和ケアを受ける場所

がんの緩和ケアは、一般に入院して受けるものというイメージがあるかもしれませんが、必ずしも入院しなくても緩和ケアは受けられます。
がんの緩和ケアを受ける場所として、「通院」「入院」「在宅」の3つに分けて見ていきましょう。

通院

通院による緩和ケアは、普段がん治療で通っている外来や緩和ケア外来で受けることができます。

がん治療で通っている外来

がんの治療のために通っている外来で緩和ケアを受けることができます。
基本的には担当の医師または看護師からケアを受ける形となりますが、必要に応じて他の医療専門職からのケアを受けることもあります。

緩和ケア外来

緩和ケアを専門とした外来に通院する形で緩和ケアを受けることができます。
入院中に緩和ケアを受けていた患者さんについては、退院後、同じ病院の緩和ケア外来を受診することもあります。

緩和ケア外来のない病院に通院している患者さんは、普段がん治療のために通っている外来で緩和ケアを受けるか、または他の病院の緩和ケア外来を受診する形となります。

入院

入院による緩和ケアは、がんの治療で入院する一般病棟や緩和ケア病棟で受けることができます。

がんの治療で入院する一般病棟

がんの治療のために入院する一般病棟で、入院しながら緩和ケアを受けることができます。
基本的には担当の医師または看護師からケアを受ける形となりますが、必要に応じて他の医療専門職からのケアを受けることもあります。

緩和ケア病棟

緩和ケアを専門とした病棟に入院する形で緩和ケアを受けることができます。

緩和ケア病棟は、がん治療(手術や薬物療法など)を行う病棟ではなく、がんによる心身の苦痛を和らげることを目的とした病棟です。
キッチン設備が整えられていたり、季節のイベントが開催されたりなど、できる限り日常に近い生活を送ることができるよう工夫されている点が特徴。
家族や友人などを招き、一緒に病棟内のイベントを楽しむこともできます。

緩和ケア病棟でのケアを通じて心身の苦痛が和らいだら、患者さんの希望に応じて退院し、帰宅も可能となります。

在宅

緩和ケアは、患者さん自身の生活ペースに合わせて在宅のまま受けることもできます。
在宅で緩和ケアを受ける際のポイントは次の4点です。

在宅療養を受けるための準備が必要

必要に応じ、在宅療養を受けるための準備をしなければなりません。

訪問診療や訪問看護の他にも、訪問介護や訪問入浴などのサービスを手配しなければならないこともあるでしょう。
訪問診療や訪問看護などの医療面の調整は病院の担当医・職員が行ってくれますが、訪問介護や訪問入浴などの介護サービスが必要となる場合には、ケアマネージャーからのサポートが必要となります。

これらの準備を万全に整えることさえできれば、一人暮らしの患者さんであっても、自宅で緩和ケアを受けることができるようになります。

緊急時には入院することも可能

在宅で緩和ケアを受けている期間、体調が悪くなった時には訪問診療医に相談し、病院に入院が可能となります。

また、まとまった時間が必要等ご家族に事情がある際は、患者さん本人の短期入院を受け入れている施設もあります。

介護施設でも緩和ケアを受けられる場合がある

在宅での緩和ケアと同じような環境を用意できれば、介護施設に入所しながら緩和ケアを受けることもできます。
施設によってルールがあるので、緩和ケアを受けられるか、受けるための条件があるか等、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。

在宅の緩和ケアなら介護保険を併用できることがある

日本では、原則として医療保険と介護保険を併用することは認められていません。
ところが在宅で緩和ケアを受ける方の中には、医療サービス(鎮痛剤の投与など)と介護サービス(訪問入浴など)の両方を受ける方も大勢います。

そのような方々のため、自宅で緩和ケアを受ける場合には、特例として医療保険と介護保険の併用が認められています。
詳細は介護保険の専門家であるケアマネージャーまで相談してみましょう。

なお、緩和ケア病棟やホスピスは「医療」を提供する専門的な施設となるため、緩和ケアのために入院したとしても、原則として医療保険しか利用できず、介護保険は利用できません。

また、入院・在宅いずれの場合も、月の医療費が一定の上限額を超えた場合には、高額療養費制度を利用すれば超過分を国から支給してもらうことができます。

緩和ケアで使用されている医療用麻薬について

がんの緩和ケアは、WHO(世界保健機構)が公表している「三段階除痛ラダー」という考え方に従って提供されています。
「三段階除痛ラダー」とは、痛みの程度に応じて三段階に分けた鎮痛薬を使用するという考え方。
具体的には、次のような基準で各種の鎮痛薬が使用されています。

.

弱い痛みにはアスピリンなど

がんの痛みが生じたばかりの比較的弱い痛みに対しては、家庭用の鎮痛剤としても広く利用されている「非ステロイド系抗炎症薬」を使います。
アスピリン、インドメタシン、アセトアミノフェンなどの成分を含んだ痛み止めです。

中等度の痛みにはコデイン類

「非ステロイド系抗炎症薬」で十分に痛みが緩和されない中等度の痛みに対しては、「医療用麻薬」「麻薬性鎮痛薬」などと呼ばれるコデイン類の各種薬剤が投与されます。

強い痛みにはモルヒネなど

コデイン類の投与でも十分に痛みが緩和されない強い痛みには、同じく「医療用麻薬」「麻薬性鎮痛薬」などと呼ばれるモルヒネ等が投与されます。
大半のがんの痛みはモルヒネで緩和できますが、さらに強い痛みに対しては、より強力な鎮痛薬が用いられることもあります。

医療用麻薬の使用で依存症や中毒になることはない

コデインやモルヒネは医療用麻薬に分類される薬ですが、これらの薬の使用により、いわゆる依存症や中毒になる恐れはないのでご安心ください。

医療用麻薬とは、医療行為にのみ使用が許されている特殊な麻薬です。
薬物依存症などを招く違法な麻薬とは異なり、適正に使用している限り依存症や中毒になることはありません。

なお、医療用麻薬の使用によって痛みが改善した場合、使用量を減らしたり使用を中止したりできます。

骨転移などの痛みに医療用麻薬は適さない

がんが骨に転移して神経性障害を起こしている場合、医療用麻薬では十分に痛みを緩和させることが難しい場合があります。
その場合には、神経ブロック療法、抗うつ薬、抗けいれん薬などで痛みの緩和を目指します。

【参考】緩和ケア病棟とホスピスは 「後天性免疫不全症候群(AIDS)」の患者も入院可能

緩和ケア病棟やホスピスの入院患者の多くは、終末期のがん患者です。
その実態から多くの方は、緩和ケア病棟やホスピスを「がん終末期患者しか入院できない施設」と考えがちですが、実際には、がん患者の他にも「後天性免疫不全症候群(AIDS)」の患者の入院が認められています。
また、神経難病患者なども入院することが可能です。

法的根拠は、緩和ケア病棟の診療報酬算定要件として「緩和ケア病棟は,苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍および後天性免疫不全症候群の患者を入院させ,緩和ケアを病棟単位で行うこと」との記載があることです。

私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』