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がん以外にも緩和ケアは可能?

緩和ケアでは肺がんにどのように対応してもらえる?

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肺がん患者さんの症状と緩和ケア

咳や痰

がん闘病中の症状として「咳」の症状が起きることがあります。特に多いのが、肺がんの患者さんや肺転移がある患者さん。一度咳が出るとなかなか止まらないなど、苦しい症状が続くことがあります。
咳はがんそのもの(肺がんなど)によるものや、がんの治療による放射線肺臓炎・薬剤性肺障害によるものなどがあります。風邪や誤嚥(ごえん)、持病(心不全や気管支喘息など)によって症状が出ていることもあります。

咳に痰がからむかどうかは、呼吸の症状を把握して原因を探るためにとても重要。薬物療法をしている際に痰がからまない乾いた咳が続く場合には、重大な副作用である間質性肺炎の可能性もあるため特に注意が必要です。
痰は気付いたときにティッシュに吐き出し、ためないように心がけます。痰が硬くなかなか出せない場合には、痰を出しやすくする薬を使うこともあります。咳の症状が辛いときには、必要に応じてコデインやモルヒネなどの医療用麻薬やデキストロメトルファンなどの薬剤を使うことがあります。

呼吸困難

呼吸困難とは、「息切れや息苦しさ」といった呼吸をするときの不快な感覚のこと。がんそのもの(肺がんなど)やがんの治療が呼吸困難の原因となることがあります。

がんそのものが原因となるもの

・肺がんなどにより肺の気道(空気の通り道)が狭くなること
・がんの進行に伴い胸腔(きょうくう)(肺の外側で肋骨などの骨に囲まれた空間)に水がたまってしまうこと(悪性胸水)
・肺炎の合併
・体力低下

がんの治療が原因となるもの

・放射線治療によって肺の組織に炎症が起こる放射線肺臓炎
・細胞障害性抗がん剤や分子標的薬などによる薬剤性肺障害

そのほか

・不安や精神的ストレスなど

癌性胸膜炎

癌性胸膜炎は、肺がんや乳がんなど他のがんから胸膜にがんが拡大して胸水がたまる病気。殆どが肺がんによるもので、肺の表面を覆っている胸膜を破り、胸壁と肺の間にある胸腔と呼ばれる部位にがん細胞が侵入して起こります。癌性胸膜炎と呼び名がついていますが、細菌による炎症ではないため正確には胸膜炎ではありません。
胸膜の炎症が強いと胸痛が出現し、特に咳をしたり深く息を吸ったりしたときに痛みが強くなることが増えますが、全ての方に症状が出現するわけではありません。胸水が増えると肺が押しつぶされて呼吸機能が低下するため、息切れが強くなります。悪化するにつれ安静時でも呼吸困難を起こすため、酸素投与が必要になることがあります。

胸痛や咳、呼吸困難などの症状があった場合には専門医による治療が必要となります。胸水が少ない場合には無症状なことも多いうえ、風邪などの初期症状と似ており、他の病気で診察を受けていると気付かない場合が多くあります。レントゲン撮影をして胸水が少しでもたまっているようであれば、すぐに原因を調べる検査を受けましょう。急速に水が増える場合には水を抜き、喫煙やアルコールなどを控えて栄養状態をよくすることも必要になります。

むくみ

がんの進行と共に腕や脚、体幹に浮腫(むくみ)が出て、痛みやしびれを伴うことがあります。浮腫が悪化すると、歩きにくい・階段昇降ができない・疲れやすいといった症状で日常生活が制限されてしまうため、浮腫がひどくなる前にケアを開始することが大切です。

注意しなければならないのは、がんの患者さんがむくんでいる=リンパ浮腫、と一概には言えないこと。例えば低アルブミン血症など、むくみはいろいろな原因で起こります。下大静脈の高度狭窄が腫瘍によって起こっているケースや、腫瘍ではなく他の病気が合併し、そこから浮腫が起きているといったこともないとは言えません(例えば心不全や、甲状腺機能低下症など)。それらをしっかり鑑別するのが医師の仕事。原因が異なれば治療も異なるため、医学的なアセスメントがとても重要となります。

全ての医師が必ずしもがん患者さんのむくみのアセスメントが得意なわけではないので、緩和ケアの医師の助力を希望することが良い手段と考えられます。

疼痛

肺には痛みを感じる神経がありません。そのため、がんが肺にとどまっている限りは肺(胸)の痛みは感じません。
肺は胸膜という膜に覆われており。胸膜は肺の表面を覆っている臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)と、肋骨(ろっこつ)や肋間筋などの胸壁を覆っている壁側胸膜(へきそくきょうまく)に分かれます。このうち、壁側胸膜には痛みを感じる神経が広く分布しているため、がんが肺の外にある肋骨や肋間筋などの胸壁へ浸潤していくと胸の痛みが起こります。

また、肺がんは骨や肝臓・脳・副腎に転移しやすく、これらの臓器に転移するとその部位の症状として痛みが生じます。特に骨への転移は起こりやすく、「背中や肩、腰などに痛みを感じていたが、実は肺がんの骨転移だった…」ということは少なくありません。
痛みの対処には医療用麻薬や放射線、骨転移のスピードを遅らせる治療を行います。

上大静脈症候群

上大静脈症候群とは、上大静脈の閉塞や外部からの圧迫によって血液の流れが滞り、顔面・頭部・上肢などにうっ血や浮腫を起こしている状態を指します。
肺がんをはじめ、さまざまな病気が上大静脈症候群の原因になりますが、特にがんに関連した上大静脈症候群は急速な病状進行に伴い、患者さんのQOL(生活の質)を著しく障害することがあります。
原因となった疾患を治療することはもちろん、症状緩和のためにステント留置などの治療方法が選択される場合もあります。

癌性心膜炎

癌性心膜炎は、がんが心膜に浸潤もしくは播種した状態を指します。
心臓は筋肉で覆われている器官ですが、筋肉でできた「心膜」と呼ばれる膜が2枚あります。この2枚の心臓の筋肉の膜の中に心嚢水がたまり、炎症を起こした状態を「心膜炎」と言うのです。
癌性心膜炎の症状としては、心膜の炎症により発熱が起こり、通常の発熱とは異なる「心臓にチクチクとした痛み」が現れるのが特徴です。
心嚢水が増えて心臓の動きが悪くなると,息苦しくなったり血圧が低下したりすることがあります。特に急激に心嚢水が増えて心臓の働きが悪くなる状況を「心タンポナーデ」といい,緊急の処置を要します。

気道狭窄

肺がんなどの病気によって空気の通り道(気道)が狭くなることがあり、これを気道狭窄と言います。
気管や太い気管支の狭窄は苦しさを伴うことが多く、放っておくと窒息することもあります。放射線療法や抗がん剤による治療などでがんの縮小が得られれば症状も改善していきますが、治療を始めても直ちに効果があるわけではありません。緊急に気道を広げる必要がある場合には、気管支鏡を用いた「気管支狭窄拡張術(インターベンション)」という治療が行われることも。これは、がんを削ったりレーザーで焼いたりして気道を広げたり、ステント(内側から広げる管)を入れて狭い部分を広げた状態に支える処置です。

高カルシウム血症

高カルシウム血症とは、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまう状態を指します。血液中のカルシウムが多くなると、骨が脆くなったり腎臓に結石ができたり、心臓や脳、腎臓の働きが悪くなったりする原因となります。
高カルシウム血症に関連した自覚症状は、疲れやすい、食欲がないといったのものから意識消失といった非常に重いものまで幅広く含まれます。治療方法は、原因や症状の現れ方によって異なります。
対症療法としては、腎臓からのカルシウム排泄を促すために輸液や利尿剤の投与を行います。高カルシウム血症の程度が強い場合や腎機能が低下している場合は迅速に対応することが必要になるため、透析が行われることもあります。
根本療法は高カルシウム血症を引き起こしている病気に対しての治療となり、がんが原因の場合はがんに応じた手術や化学療法、放射線療法を適宜選択します。

肺がんの検査方法

肺がんの診断にはさまざまな検査方法があります。
ここでは、実施される検査方法を紹介していきます。

レントゲン(単純胸部X線検査)

肺のX線写真を撮影し、がんを示す陰影がないかを調べます。肺がん診療の最も基本的な検査で、診断だけでなく治療効果判定などのためにも繰り返し用いられます。簡便で被ばく量も少ないため、広く普及している検査です。

細胞診断・組織診断

画像検査や内視鏡検査で肺がんが疑われたときは、確定診断のための検査を行います。肺がんが疑われる部位から検体を採取し、採取した組織もしくは細胞を検査してはじめて本当に肺がんかどうかが確定します。検査方法は、疑われる肺がんの部位や種類に応じて選択します。

CT

レントゲン(単純胸部X線検査)よりも精度が高く、初期の小さながんや骨に隠れたがんも見つけることができます。さまざまな方向の断面像や立体像を描くことができ、がんの広がりの評価もできるなど、得られる情報量が多いことが特徴です。放射線被ばくのデメリットを考慮して、検査の要否を判断する必要があります。

血液検査(腫瘍マーカー)

腫瘍マーカーとは、がん細胞に対して体が反応することによって産生される物質のこと。血液検査により比較的簡単に測定できますが、がん以外の病気で産生されることもあるため、この検査だけでがんの有無を確定することはできません。肺がんの診断においてはあくまで補助的な手段であり、治療効果の判定や転移・再発の予測に用いられることもあります。

内視鏡

内視鏡検査には、口や鼻から気管支鏡を入れて行うものと胸壁にあけた穴から胸腔鏡を入れて行うものがあります。気管支鏡検査は局所麻酔のみで、外来で行うことができる検査です。胸腔鏡検査は全身麻酔が必要で患者さんへの負担も大きいため、気管支鏡検査で診断がつかないときに行われることがあります。

肺がんの治療方法

治療方法を決める際には、組織型やがんの進行の程度、体の状態、年齢、合併症などを考慮します。本人の希望なども考慮しながら担当医と共に決めていきます。複数の治療法を併用することもあります。

薬物療法(抗がん剤治療)

抗がん剤を用いて増殖しているがん細胞を直接攻撃する治療です。ただし、がん細胞だけを攻撃するだけではなく、正常な細胞にも影響を及ぼしてしまいます。そのため、抗がん剤の量を増やすと攻撃する力は増しますが、正常な細胞への影響(副作用)も強くなります。多くは注射薬ですが、一部、経口のお薬もあります。

放射線治療

放射線治療は、放射線を体の外から照射してがん細胞を傷つける治療法です。
その目的には、①がんの完治を目指す(根治)、②がんの痛みや気道、食道、血管などの圧迫による症状を取り除く(緩和医療)、③がんが増大して引き起こす症状や転移などによる再発を減らす(予防)の3つがあります。
放射線治療は比較的他の治療よりも体への負担が少ないというメリットがある一方で、①安全に利用できる放射線の量や範囲に限界がある、②効果が出るまで時間がかかる、③治療後にも放射線の影響が出てくることがあるといったデメリットもあります。

肺がんの手術方法

肺がんの手術は、肺にできたがんを完全に取り除くこと(根治)を目的に行われます。
肺の機能がすでに低下している方の場合、手術のあと痰を出しにくくなることで肺炎を起こしたり、息切れが強くなったり寝たきりになってしまう危険性があるため、手術以外の方法を検討します。
切除する範囲によって、以下のような複数の手術法があります。どの種類の手術を行うかは、組織型や病期、体の状態などによって異なります。

肺葉切除術

がんのある肺葉を切除する手術通常はリンパ節郭清(周囲のリンパ節の切除)も行います。Ⅰ期からⅡ期の非小細胞肺がんに対する標準的な手術方法で、がんが肺と隣接する胸壁や心膜に広がっているときには一緒に切除する場合もあります。

縮小手術

肺をできるだけ温存することを目的として、肺葉の一部分のみを切除する手術です。非小細胞肺がんのごく早期かⅠ期で、肺の機能などに問題があって肺葉切除ができない場合の手術です。再発の可能性が高くなるので、可能な限り肺葉切除術が選ばれます。

がんの緩和ケアとは?

がんの治療中、患者さんは痛みや息苦しさ、吐き気、だるさ、食欲の低下などのさまざまな体の不調に直面します。また、がんと診断されたとき、治療中、再発や転移がわかったときなど、さまざまな時期に不安や気分の落ち込みなどの精神的な辛さやストレスを感じます。
緩和ケアとは、患者さんやご家族の病気に伴う心と体の痛みや辛さをやわらげ、その人らしく、より豊かな生活が送れるように支えるケアのことを指します。

がん患者さんの中には、「痛みがあるのは仕方ない」「辛いなんて言っていいのかしら」と、痛みや辛さをがまんしてしまう人も少なくありません。しかし、辛い症状が続くと、眠れなくなる・食欲がなくなる・動けなくなる・落ち込みやすくなる…といったように生活に支障を来たすようになり、前向きに治療に取り組むことも難しくなってしまいます。
緩和ケアというと「末期の患者さんの治療」というイメージを持つ人もいるようですが、近年では、早い時期からがんの治療とあわせて緩和ケアを行うことで、患者さんやご家族の生活の質(QOL)を保つことが大切であると考えられています。

緩和ケアの種類

緩和ケアは「専門病棟で行われるもの」「専門的な医療者によって行われるもの」と誤解している患者さんやご家族は多いですが、本来、緩和ケアはがんの診断時からがん患者に関わるすべての医療者によって提供されるべきもので、これを基本的緩和ケアと呼びます。
基本的緩和ケアとは、手術や抗がん剤、放射線治療などのがん治療を行う医師や看護師といった、がん医療に携わるすべての医療者によって提供されるものです。事実、がん医療に関わる全ての医師は2日間の「緩和ケア研修会」を受けることが必須となっており、医療用麻薬をはじめとした患者さんの症状を緩和するための基本的な薬剤の処方や技術を習得しています。
しかし、担当の医師・看護師らによる通常の診療・ケアで患者の苦痛を緩和することが困難な場合もあります。そのような場合は緩和ケアについて特別なトレーニングを受けた専門家が対応しますが、これを専門的緩和ケアと呼びます。

緩和ケア病棟・緩和ケア外来とは

入院して緩和ケアを受ける場合は、一般病棟でがんの治療をしながら緩和ケアチームの診療を受ける方法と、緩和ケア病棟に入院する方法があります。
一般病棟と異なり、家族や大切な人といつでも面会できるよう面会時間の制限をなくしている緩和ケア病棟もあります。患者さんがご家族と一緒に過ごせるよう個室を多く設け、ご家族が宿泊するためのソファーベッドやキッチンなどを備えている施設も。面会の人とゆっくり過ごせる部屋があったり行事や催し物がおこなわれたりと、患者さんができるだけリラックスし、楽しく過ごせるように配慮や工夫がなされています。

緩和ケア病棟に入院するメリットは以下のようなものがあります。

・苦痛症状を緩和するための専門的なトレーニングを受けた医師・看護師が主治医・受け持ち看護師となり、24時間ケアを受けられる
・ほぼ全室個室であり、プライバシーが守られた環境で家族や友人と穏やかな時間を過ごせる
・面会や持ち込み物の制限が少なく、自分の家のようにその人らしい生活を送ることができる

緩和ケア外来とは、緩和ケアチームが通院患者さんに対して緩和ケアを提供する専門外来のこと。治療の担当医と連携し、がんの治療と並行しながら体と心の痛みや辛さをやわらげるためのケアを行います。

入院中に、緩和ケア病棟あるいは緩和ケアチームによるケアを受けていた患者さんが、退院後に引き続き外来でケアを受けることもあります。また、がんの治療が一段落した後であっても、痛みやだるさなどの不調が残ったり体調や今後の病状などに不安を抱えたりすることもあり、そういった患者さんに対して外来でケアを継続するケースもあります。

さらに、訪問診療や訪問看護の医師、スタッフと連携し、在宅での緩和ケアに移るためのサポートや紹介のお手伝いをすることもあります。 もちろん、患者さんだけでなくご家族の心身の負担を軽くするためのケアや支援も行っています。

緩和ケアチームってどんな人たち?

一般的に緩和ケアチームは、病院内において特定の病棟を持たず、病棟を横断的に活動する(全ての病棟を回って回診する)、受け持ち医師や看護師に対するコンサルテーションを中心にしたチームです。

通常は、一般病棟の医師や看護師から依頼を受けて病棟におもむき、医師・看護師からの情報収集のあとに患者を直接診察し、一般病棟の医師・看護師に治療やケアのアドバイスをします。一般的な医療用麻薬の使用方法などの軽微な相談では、直接の診療を必要としないこともあります。緩和ケアチームのメンバーは医師、看護師、薬剤師などが中心ですが、施設の規模や考え方によってメンバー構成や人数は異なります。

医師

病態を把握し緩和ケアの評価、治療方針の決定および治療を行います。
患者さんのQOLの改善を図り、患者さんの希望する最善の医療とは何かを共に考え最後の時を迎えます。

医療ソーシャルワーカー

患者さん・ご家族・ご遺族の不安や悩み(例えば、気持ちの整理・どうしても気になっている事柄・医療費について・仕事について・どこで治療や療養を受けるか・福祉サービスについて・患者会の情報・病気や治療について・セカンドオピニオンについてなど)の相談に対応します。

看護師

病気とその治療方法、心身の状況、そして現在に至るまでの経過を理解したうえで、患者さんの価値観を尊重しながらどんなケアが必要か、ご本人やご家族と一緒に考えていきます。身体の痛みや呼吸困難などの苦痛症状を緩和したり、心理的・社会的なサポートをしたりすることで日常生活の充実を図り、その人らしい終末期を過ごせるよう援助します。また、ご家族の悲嘆に対するケア(「グリーフケア」という)も行います。

管理栄養士

患者さんの栄養状態を把握し、問題があれば食事療法を中心とした栄養治療に関わります。患者さんが残された時間の中で充実した時間を過ごせるよう、満足いただける食事を提供することで、QOLの維持と向上を図ります。

救急救命士

医師との相談のうえ、人生の最後の時を患者さんが希望する場所で迎えることができるように、終焉の地への転院搬送サービスや、ふるさとや孫の結婚式に赴く患者搬送サービスを提供しています。

作業療法士

身体の痛みなどの苦痛があるときに姿勢の調整やリラクセーションなどをすることで日常生活を過ごしやすくできるよう、患者さんや家族に指導・援助をします。
精神心理的な側面から生じる痛みなどに対し、適切な作業活動によって患者さんや家族に生きがいや役割の自覚を促し、本人らしい生き方を表現できるよう援助します。

歯科医師

口腔機能の低下による経口摂取困難、口腔清掃不良による誤嚥性肺炎等の感染症の予防のための歯科治療および口腔衛生管理の計画・実施の方針を決定します。患者・家族を支えると共に、口腔内の苦痛、不快感を緩和する口腔ケアの実施について指導管理をしてくれます。

歯科衛生士

口腔がん等の術前処置として、専門的口腔清掃(歯垢、歯石等の除去)や医薬品としてのうがい薬等の併用による口腔衛生管理を行うことで痛みを緩和し、術後の口腔環境の悪化を予防します。頭頚部等の放射線療法や化学療法では、口内炎等の副作用が発症することで痛みが激しくなったり食事や会話が困難になったり開口障害を起こしたりすることがありますが、これらの症状を緩和するため、医薬品としてのうがい薬やアイスボール(氷を球形にしたもの)などを使用し、粘膜を保護しながら専門的口腔清掃を行います。さらに、患者さんのセルフケアを支援し、良好な口腔衛生状態を維持・管理します。

診療放射線技師

エネルギーの強い放射線を照射することで、骨転移部位の痛みを緩和。また、核医学検査室で骨転移部位の痛みの緩和に使用する放射線医薬品の管理をします。

薬剤師

緩和ケアチームの一員として、がん患者さんを痛みから解放するための役割を担っています。医療用麻薬についての不安や誤解を取り除き、副作用を避けるための対策を取り、鎮痛薬がいつも効いている状態を保つよう配慮します。また、医療スタッフに対して薬物療法の支援や医薬品情報の提供などを行います。

理学療法士

物理療法(温熱・冷却・レーザーなど)やリラクゼーション(姿勢調整)、補装具(杖)や福祉用具の使用などによって痛みを緩和します。浮腫(むくみ)による痛みの場合はリンパドレナージ等を施し、呼吸苦がある場合は呼吸法などを指導。また、身体の廃用(動かないことによる心身機能の低下)を防ぐため、基本動作(起きる、歩くなど)の練習や筋力改善などを行います。

臨床心理士

患者さんが、病状や先行きの不安、死の恐怖などを感じつつもさまざまな喪失を悲嘆し、受け入れ、そして自分の人生の意味を振り返るプロセスに寄り添います。ご家族に対しても、患者さんを失ってしまうということで生じるさまざまな感情や悲嘆、困難に向き合う心理面を支援します。

がんに関する悩みの相談先

がんにまつわる悩み事は治療に関することだけとは限りません。治療以外の部分、心の葛藤や経済面の心配、家族とのコミュニケーションなどで困っている人の方が実は多いかもしれません。
ここでは、誰もが抱えるがん治療にまつわる悩みや疑問の相談先についていくつかご紹介します。

がん相談支援センター

・全国のがん診療連携拠点病院等に設置されているがんの相談窓口
・院内及び地域の医療従事者の協力を得て、院内外のがん患者や家族、地域の住民及び医療機関等からの相談に対応する
・国立がん研究センターがん対策情報センターによる「相談支援センター相談員研修・基礎研修」(1)~(3)を修了した専従及び専任の相談支援に携わる者をそれぞれ1人ずつ配置している

がん診療連携拠点病院等

・全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国に450箇所以上指定されている施設(がん診療連携拠点病院408箇所、地域がん診療病院45箇所/令和2年4/1現在)
・小児・AYA世代の患者についても全国に小児がん拠点病院を15箇所、小児がん中央機関が2箇所指定されている(令和2年4/1現在)
・ゲノム医療を必要とするがん患者のため、全国にがんゲノム医療中核拠点病院を12箇所、がんゲノム医療拠点病院を33箇所指定し、がんゲノム医療連携病院を188箇所公表していり(令和4年5/1現在)

これらの医療機関では、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援や情報提供等を行っています。
費用について、厚生労働省から承認を受けている緩和ケア病棟の場合、医療費は定額制(治療内容にかかわらず1日にかかる医療費は一定額に決められていること)。ただし、入院期間によって入院料は異なり、室料差額分が必要になることもあります。また、一定額を超えた医療費は高額療養費制度を利用することで返金されます。
費用や制度の詳細については、加入している医療保険者、医療機関のソーシャルワーカーや会計事務担当者に確認しましょう。

※参照:国立がん研究センター「がん相談支援センター」とは

私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』