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日本に多い7種類のがんから見る、末期がんの症状

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「末期がん」とは一体どんな状態を指すのか、そして、どんな症状が現れるのか。
末期がんの症状について、大腸がんや胃がん、肺がんといった日本で多い7つのがんを取り上げます。

そもそも「末期がん」とは?

「末期がん」とは、がんが進行していて治療による根治(完治)が難しい段階を指す言葉です。
実は、「末期」という言葉は医学的に厳密な定義があるわけではなく、医師の間でも使い方や意味合いに幅があります。
医師が「末期がん」と説明するのは、おおむね次のようなタイミングです。

・治療によってがんの進行を止めるのが難しくなったとき
・延命よりも生活の質(QOL)を重視する方針に切り替えるとき

ただし、患者本人への告知の仕方やタイミングは、本人の希望や状態に応じて慎重に決められます。

末期がん=ステージ4?

混同されがちですが、「末期がん=ステージ4」ではありません。

・ステージ4:がんが他の臓器や遠くのリンパ節に転移している状態
・末期がん:ステージとは関係なく、治療によって根治(完治)が難しい場合に用いられる言葉

「ステージ4」は医学的な分類によるがんの進行度を示す言葉で、「末期がん」は治療の見通し(予後)に基づく状態の呼び方です。
そのため、ステージ4でも「末期」とは限らず、ステージがそれ以下でも「末期」と判断される場合があるということです。
このように、「末期がん」と判断されるかどうかは手術ができるかどうか、治療を継続できるかといった患者さんの状態によっても異なってきます。

日本に多いがんの末期症状

ここでは、日本に多いとされる大腸がん、胃がん、肺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、乳がんの末期症状を取り上げます。

※日本に多いがん:新たに診断される患者数が、10万人あたり30人以上のがん(1年間)
※参照元:国立がん研究センター┃がん情報サービス

大腸がん

大腸がんとは、大腸(結腸や直腸)の内側にある粘膜に発生するがんを指します。
日本では男女ともに罹患数が多いがんのひとつです。
大腸がんが末期になると、がんが肝臓や肺など他の臓器にまで転移しているケースが多く、局所的な症状だけでなく全身的な不調が強く現れます。

大腸で起きる症状

・血便や出血
がんが大腸の壁を破ることで出血。進行すると貧血の原因に。

・腹痛
腸内の炎症や腫瘍の圧迫で痛みが起こる。

・便通異常(便秘・下痢の繰り返し)
腸が狭くなり、スムーズに便が通らなくなる。

・腸閉塞(ちょうへいそく)
がんが腸をふさいで詰まる状態。吐き気、お腹の張り、便・ガスが出にくいなど。

転移によって起きる症状

・腹膜播種(ふくまくはしゅ)による症状
がんが腹膜に広がることで腹水、水腎症、強い腹痛を引き起こす。

・肝臓転移
倦怠感、黄疸、肝機能の低下などが出やすい。

・肺転移
咳や息切れ、呼吸困難などの呼吸器症状が出ることも。

・骨転移
腰や背中の強い痛み、場合によっては骨折のリスクも。

・脳転移
頭痛や、吐き気、意識障害、けいれんなどの神経症状。

胃がん

胃がんとは、胃の内側を覆う粘膜から発生するがんです。
日本では高齢者に多く見られ、初期にはほとんど症状が出ないため、進行してから発見されるケースも少なくありません。
がんが進行すると、胃の働きが著しく低下し、食事がとりづらくなるだけでなく、全身への影響も出てきます。
末期になると他の臓器へ転移し、症状はより深刻になります。

胃で起きる症状

・食欲不振
胃の働きが弱まり、食べたくても食べられない状態が続く。

・吐き気・嘔吐
胃の出口が狭くなり、食べたものがうまく通らず吐き気や嘔吐につながる。

・消化不良
胃の消化機能が低下し、胃もたれや膨満感を感じやすくなる。

・体重減少
食事量の低下や栄養吸収の不良によって急激にやせる。

・胃からの出血(吐血・下血)
がん組織の崩壊によって出血が起こり、貧血やめまいの原因になる。

転移によって起きる症状

・腹水の増加
腹膜への転移により、腹腔内に水分がたまりやすくなる。膨満感や排尿障害、足のむくみを伴う。

・肝臓転移
倦怠感や黄疸、肝機能の低下など。

・肺転移
呼吸が浅くなる、咳や息切れなどの症状。

・骨転移
骨の痛みや骨折リスクが高まる。腰や背中の痛みが続く場合も。

・脳転移
頭痛や、吐き気、意識障害、けいれんなどの神経症状。

肺がん

肺がんとは、肺の気管支や肺胞の細胞ががん化したものです。
喫煙との関係が深く、進行するまで症状が出にくいのが特徴。
末期になると呼吸に関わる肺そのものが障害を受けるため、命に直結するような深刻な症状が現れます。
さらに、他の臓器への転移によって多様な症状が全身に及びます。

肺で起きる症状

・呼吸困難
がんが気管支を圧迫したり、肺の一部がつぶれたりすることで、息がしづらくなる。

・咳(せき)
がんが気道を刺激し、慢性的な咳が続く。血の混じった痰が出ることも。

・胸の痛み
がんが胸膜や周辺の神経を刺激することで痛みを感じる。

・痰(たん)の増加
がんによる気道の炎症や感染が原因で、痰が多く出るようになる。

・胸水(きょうすい)
がんが胸膜に転移して水がたまり、肺が圧迫されることでさらに呼吸が苦しくなる。

転移によって起きる症状

・骨転移
転移した部位に強い痛みが出るほか、骨折のリスクも高まる。

・脳転移
頭痛や、吐き気、意識障害、けいれんなどの神経症状。

・肝臓転移
倦怠感、食欲不振、黄疸など、肝機能低下による全身症状が出る。

・副腎転移
明確な自覚症状は出にくいが、進行するとホルモンバランスの乱れや全身のだるさなどにつながることも。

・全身症状(がん悪液質)
著しい体重減少、倦怠感、食欲不振など、全身の衰弱が進行する。

膵臓(すいぞう)がん

膵臓にできるがんは、発見が難しいがんのひとつです。
初期症状が少なく、見つかったときにはすでに進行しているケースが多いのが特徴。
膵臓は消化酵素やホルモンを分泌する重要な臓器であり、がんの進行によって消化機能や血糖コントロールに深刻な影響が出ます。
末期になると他の臓器にも転移し、全身にさまざまな症状が現れます。

膵臓で起きる症状

・体重減少
膵液の分泌が低下し、栄養の吸収がうまくいかず、急激にやせる。

・食欲不振
膵臓が大きくなり、消化器官を圧迫することで食欲が低下する。

・糖尿病の悪化
インスリン分泌が障害され、糖尿病の新規発症や病状の悪化が見られる。

・背中や腰の痛み
膵臓の炎症や周囲への浸潤によって、背部に痛みが生じる。

・黄疸
胆管ががんに圧迫されることで、皮膚や白目が黄色くなる。

転移によって起きる症状

・肝臓転移
膵がんの転移先として最も多く、倦怠感、黄疸、肝機能の低下などが起こる。

・腹膜転移
腹水の貯留、腹部の張りや痛み、食欲不振などが現れる。

・肺転移
倦息切れ、咳、胸の違和感など呼吸器系の症状が出ることもある。

・骨転移
骨に激しい痛みが出たり、骨折のリスクが高まる。

・全身症状
体重の著しい減少、倦怠感、栄養不良など、全身の衰弱が進行する。

肝臓がん

肝臓の細胞から発生するがんで、主に「肝細胞がん」が多くを占めます。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま進行していくのが特徴。
末期になると、肝臓の機能が著しく低下し、全身にさまざまな不調が現れるようになります。
さらに、がんが他の臓器に転移すると、それぞれの部位に応じた症状も加わります。

肝臓で起きる症状

・体重減少
肝機能の低下や栄養不良により、急激にやせる。

・黄疸
胆汁の流れが悪くなり、皮膚や白目が黄色くなる。

・腹水
お腹に水がたまって膨満感や苦しさが出る。

・全身のかゆみ
胆汁中の成分が血中にたまり、皮膚にかゆみが生じる。

・むくみ
血中のたんぱく質不足や血流の滞りにより、特に足にむくみが出る。

・倦怠感
肝臓の代謝機能の低下によって、全身の疲労感が強くなる。

・腹痛や下痢
肝臓周辺の炎症や消化機能の乱れが原因となる。

・肝性脳症
肝臓の解毒機能が落ちることで、有害物質が脳に影響し、意識障害や混乱、昏睡状態になることがある。

転移によって起きる症状

・骨転移
激しい骨の痛みや骨折が起こりやすくなる。

・リンパ節転移
リンパの腫れや圧迫による違和感が出ることがある。

・肺転移
咳、息切れ、呼吸困難など、呼吸器系の症状が現れる。

・脳転移
頭痛や、吐き気、意識障害、けいれんなどの神経症状。

前立腺がん

男性に存在する前立腺に発生するがんです。
初期には自覚症状がほとんどなく、検診などで発見されることもあります。
進行すると、前立腺の近くを通る尿道を圧迫し、排尿に関するトラブルが現れ始めます。
さらに末期になると、骨をはじめとするさまざまな臓器に転移し、全身症状が強く出るようになります。

前立腺で起きる症状

・排尿時の痛み
尿道ががんに圧迫されることで、排尿時にヒリヒリした痛みが生じる。

・頻尿・残尿感
膀胱が刺激されることでトイレが近くなり、排尿後もスッキリしない感覚が残る。

・尿や精液に血が混じる
尿道や前立腺内部の血管が破れて出血することがある。

・排尿困難
尿が出にくくなる、尿の勢いが弱まるなどの症状が進行する。

転移によって起きる症状

・骨転移(特に腰椎・骨盤)
強い腰の痛みや股関節の痛み、進行すると下半身のしびれや麻痺につながることもある。

・リンパ節転移
下肢のむくみや、骨盤周辺の圧迫感などが出る場合がある。

・肝臓転移
倦怠感、黄疸、食欲不振、肝機能の低下などが起こる。

・肺転移
咳、呼吸困難、胸の違和感などの呼吸器症状が出ることもある。

・脳転移
頭痛や、吐き気、意識障害、けいれんなどの神経症状。

乳がん

乳腺に発生するがんで、女性に多いがんのひとつです。
しこりや乳房のひきつれ、分泌物などが初期のサインとして現れることがありますが、自覚症状が出る頃にはすでに進行しているケースもあります。
乳がんは比較的早期から他の臓器へ転移しやすい性質があり、末期になると全身に多様な症状を引き起こします。

乳房で起きる症状

・乳房のしこり
がん細胞の増殖によって、硬いしこりが触れるようになる。

・乳房の痛み
がんによる炎症や圧迫が原因で痛みが生じることがある。

・皮膚のひきつれ・くぼみ
乳房表面の皮膚がくぼんだり、引きつれるように見えることがある。

・乳頭からの分泌物や出血
乳頭から透明〜血の混じった液体が出ることがある。

・腋窩リンパ節の腫れ
わきの下にしこりや腫れが現れることもあり、リンパ節転移の可能性を示す。

転移によって起きる症状

・骨転移(特に腰椎・骨盤)
激しい骨の痛み、病的骨折、運動障害などが起こる。

・肺転移
咳、息切れ、胸の痛みなどの呼吸器症状が現れる。

・肝臓転移
倦怠感、黄疸、肝腫大、食欲不振など、肝機能の低下による症状が出る。

・脳転移
頭痛や、吐き気、意識障害、けいれんなどの神経症状。

・全身症状
倦怠感、発熱、強い痛みなど、がんの進行や治療による影響で体全体が衰弱する。

末期がんの治療やケア

末期がんと戦う患者のために、緩和ケアやホスピス、ターミナルケアといったケアがあります。

緩和ケア(ホスピスケア)

緩和ケアとは、生き方に注目し、「どう生きたいか」を考えるケアです。
緩和ケアの目的は、身体的・精神的・社会的など、あらゆる苦痛を和らげ、QOL(生活の質)を高めることにあります。
終末期だけではなく、がんと診断されたタイミングから受けることができ、治療と並行して行うことも可能です。
また、同じ意味で用いられる言葉として「ホスピスケア」もあります。
緩和ケアとホスピスケアに大きな違いはありませんが、強いて言えばケアの対象時期です。
緩和ケアが「がんと診断された時から終末期」を対象にしているのに対し、ホスピスケアは「治癒が望めない時期から終末期」を対象としています。
緩和ケアでは、痛みや不快な症状の緩和、日常生活のサポート、心のケア、治療法の選択支援などを行っています。

ターミナルケア

ターミナルケアは、直訳すると「終末期医療」。
明確な定義がないため緩和ケアやホスピスケアなどと混同されがちですが、ターミナルケアの目的は「いかに苦痛なく最期を迎えるか」であり、生き方を考える緩和ケアとは方向性が異なります。
延命を目的とせず、患者さんの痛みや恐怖を和らげ、安らかな最期をサポートすることに重きを置いています。

末期がんの受け止め方

「末期」と聞くと余命を意識してしまうのは事実。
しかし、考えていただきたいのはそれだけではありません。
末期と診断されても、緩和ケアで症状をできるだけ抑えながら日常を過ごせるケースもあります。
また、緩和ケアだけでなく、薬物療法や手術、放射線治療などを併用するという選択肢もあります。

ターミナルケア

ターミナルケアは、直訳すると「終末期医療」。
明確な定義がないため緩和ケアやホスピスケアなどと混同されがちですが、ターミナルケアの目的は「いかに苦痛なく最期を迎えるか」であり、生き方を考える緩和ケアとは方向性が異なります。
延命を目的とせず、患者さんの痛みや恐怖を和らげ、安らかな最期をサポートすることに重きを置いています。

まとめ

「末期がん」とは、がんが進行して治療による根治が難しい段階を示す言葉。
医学的な定義はないため、進行度(ステージ)とは一致しない場合があります。
がんの種類によって症状の出方は異なりますが、多くの場合、局所的な症状に加えて、他の臓器への転移による全身症状も現れます。
末期がんの治療では、症状の緩和や生活の質(QOL)を向上させることが重視され、緩和ケアやターミナルケアといったサポートが重要な役割を果たしています。

私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』