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胃がんの末期症状とは?現れやすい変化や緩和ケアについて解説

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胃がんの末期は正式な医学的病期名ではなく、一般に根治が難しい、症状緩和や生活の質の維持(QOL)が最優先される状態を指して使われます。診断を受け、今後の生活や体に現れる変化に不安を感じる方も多いでしょう。本記事では、胃がん末期で現れやすい症状や生活への影響、苦痛を和らげる治療や緩和ケアについて詳しく解説します。

胃がんの末期とステージ4は同じではない

「ステージ4」は、がんが胃から離れた臓器やリンパ節、腹膜などに広がっている状態を指す、がんの進行度を示す医学的な分類です。
対して、「末期」は、がんの進行度だけで決まるものではありません。治療の見通し、患者さんの体力、症状の強さ、ご本人の希望などを総合的に考慮して使われる言葉です。延命を目的とした積極的な治療よりも、痛みやつらさを和らげることを重視します。
症状を和らげる治療や緩和ケア、状態に合わせてがんの進行を抑える薬物療法を検討するのが一般的です。

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胃がんの末期に現れやすい症状

胃がんが末期に近づくと、がんの進行具合や転移した部位によってさまざまな症状が現れ、食事や移動、睡眠などに支障が出ます。ここでは、胃そのものに現れる局所的な症状、腹膜に広がることで起きる症状、他の臓器へ転移したことに伴う症状に分けて、生活への影響を解説します。

胃の局所進行による食欲低下・吐き気・出血

胃がんが進行すると、胃の働きが著しく低下し、食欲不振や「食べたいのに食べられない」という状態が起こりやすくなります。腫瘍によって胃の出口付近が狭くなったり塞がったりすると、食べたものが通過できず、吐き気や嘔吐が続くこともあります。
また、がん組織からの持続的な出血によって、便が黒くなる黒色便(タール便)や貧血がみられることも少なくありません。十分な食事からの栄養摂取が難しくなることや貧血が重なることで、急激な体重減少や、立ち上がる・歩くといった動作もつらく感じるほどの倦怠感につながることがあります。

腹膜播種による腹水・お腹の張り・腸閉塞

胃がんが胃の壁を突き破り、腹腔内に散らばる「腹膜播種」が起こると、お腹に水(腹水)がたまりやすくなります。腹水が増加することで、強いお腹の張りや圧迫感、呼吸のしづらさが現れるのが特徴です。
さらに進行してがん細胞が腸を圧迫すると「腸閉塞」を引き起こすケースも少なくありません。腹痛やお腹の張り、吐き気・嘔吐によって、食事を取ったり眠ったりすることが難しくなる場合があります。

肝臓や肺、骨などへの転移に伴う症状

胃がんは血液やリンパ液を介して、肝臓や肺、骨といった他の臓器へ転移することがあります。現れる症状は転移先によって大きく異なり、生活に与える影響もさまざまです。たとえば肝臓への転移では、強いだるさや黄疸(皮膚や白目が黄色くなる状態)、お腹や背中の痛みが現れやすくなります。

また、肺への転移ではしつこい咳や息切れが生じ 、骨に転移した場合は激しい痛みを引き起こすことがあります。これらの症状は必ずしも全員に現れるわけではありません。複数の症状が重なると体力を消耗しやすくなり、歩行や身の回りの動作が難しくなることがあります。

胃がん末期で医師に相談したほうがよい症状

胃がん末期では、日々の症状の変化が、どれだけ穏やかに過ごせるかに大きく関わってきます。以下のような症状は、本人の苦痛が強いだけでなく、放置するとさらなる体力の消耗を招く恐れがあります。「このくらいなら」と様子を見たり我慢したりせず、早めに医師や看護師に相談し、適切な処置を受けることが大切です。

・吐血がある、または黒色の便が続く
・水分が摂れない、または激しい嘔吐を繰り返す
・強い腹痛がある、もしくはお腹の張りが著しい(腹部膨満)
・意識がぼんやりして、呼びかけへの反応が鈍い
・息苦しさが強く、呼吸がしづらい
・皮膚や白目が黄色くなる(黄疸が出る)
・これまでコントロールできていた痛みが急に強くなる

これらの症状は、薬の調整や医療的な処置によって和らげられる可能性があります。安全かつ穏やかに過ごすために、変化を感じたらすぐに医療者へ伝えてください。

胃がん末期で医師に相談したほうがよい症状

胃がんの症状は、ある日突然大きく変わるというよりも、徐々に体力が低下し、食事や移動、身の回りの動作が難しくなっていくのが一般的です。ここでは、身体的な変化が実際の生活にどのような影響をもたらし、どういったサポートが必要になるのかを整理します。

食事の工夫が必要になり、食べられない不安が生じる

食欲の低下や吐き気が続くと、これまで通りの食事を取ることが難しくなります。食べやすいように食事の形態を工夫したり、少量を複数回に分けたりする生活への変化が必要です。
「食べられないこと」自体が患者さんやご家族の大きな不安につながりやすいため、無理をせず、その時の体調に合わせて口にできるものを楽しむといった心の切り替えも求められます。

活動量が減り、横になって過ごす時間が増加する

体力の低下や全身のだるさに伴い、日中の活動量は徐々に減っていきます。疲れやすくなるため日課をこなすのが難しくなり、ベッドや布団で横になって過ごす時間や眠っている時間が増加。次第に自力で動くことが億劫になり、トイレへの移動や着替えといった身の回りの動作にも、少しずつ人の手が必要になってくる状態です。

家族の介助が増え、療養環境の相談が必要になる

患者さんがご自身で動くことが難しくなるにつれて、ご家族が介助する場面は自然と増えていきます。ご自宅で過ごすことを希望する場合は、ご家族だけで抱え込まず、訪問看護や介護保険サービスなどを導入して療養環境を整えることが欠かせません。
ご本人とご家族が少しでも穏やかに過ごせるよう、早い段階から医療ソーシャルワーカーや緩和ケアチームへ相談し、周囲のサポートを受けることが重要になります。

胃がん末期で行われる治療と緩和ケア

末期と診断されたからといって、治療ができなくなるわけではありません。患者さんの体力やご希望に寄り添いながら、がんの進行を抑える治療や、つらい症状を和らげるケアが続けられます。ここでは、具体的にどのような医療的サポートが受けられるのかを解説します。

がんの進行を抑えるための治療

患者さんに十分な体力が残っている場合は、薬物療法によってがんの進行を遅らせるアプローチが検討されます。具体的には、複数の抗がん剤を組み合わせる治療のほか、特定の分子を狙い撃ちにする分子標的薬や、免疫の働きを利用する免疫チェックポイント阻害薬といった選択肢があります。がん自体の進行を抑えることで、結果的に症状の悪化を緩やかにする効果が期待できるでしょう。

症状を和らげるための治療

がんの縮小が難しい段階でも、症状そのものを軽減するための対症療法が行われます。例えば、がんの痛みに対する医療用麻薬などの鎮痛薬や、吐き気を抑える制吐薬の処方などです。腹水による張りには腹水穿刺を用いたり、全身状態に合わせた輸液調整、貧血への対応を行ったりすることもあります。

腫瘍で胃や腸が塞がった場合には、お腹を切らずに内視鏡で広げるステント留置術や、食事の通り道を確保するバイパス手術が検討される場合もあるなど、アプローチはさまざまです。患者さんの症状や状態に応じて、苦痛を和らげるための支援が検討されます。

緩和ケアは早い段階から受けられる

緩和ケアは「終末期になってから受けるもの」というイメージを持たれがちですが、診断後の早い段階から受けられる支援です。体の痛みや吐き気といった身体的な苦痛への対応だけでなく、病気に対する不安やご家族の悩み、今後の療養場所の相談なども支援の対象となります。患者さんとご家族が自分らしく穏やかな時間を過ごせるよう、サポートが提供されます。

胃がんの生存率について知りたい方へ

胃がんと診断されると、今後の経過や生存率について強い不安を感じるでしょう。ですが、生存率はあくまで統計的な目安であり、患者さん一人ひとりの状態や治療への反応によって実際の経過は大きく異なります。一つの指標として知っておくことは大切です。胃がんの5年生存率や10年生存率についての基礎知識は、以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ

胃がん末期では、食欲不振や腹水、転移に伴う痛みなど多様な症状が現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。進行のスピードや症状の現れ方は個人差があり、ご本人はもちろん、ご家族の介助負担が増えることも少なくありません。

大切なのは、医療チームと相談し、苦痛を和らげる治療や緩和ケアを積極的に取り入れることです。適切なサポートを受けることで、生活の質を保ちながら自分らしく穏やかな時間を過ごしましょう。

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