がん末期でお悩みならクリニックC4。末期がん、多発転移でもクリニックC4のトモセラピーなら治療の可能性があります。
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初期症状が少ないと言われる腎臓がん。
検査で見つかった時にはステージ4というケースも、珍しくはありません。
それでも「ステージ4の腎臓がん」と聞くと、不安や戸惑いが大きくなるのは自然なことです。
がんがどこまで広がっているのか、手術はできるのか、どんな治療法があるのか。
本記事では、ステージ4の定義、症状、治療法、生存率、そして知っておきたい緩和ケアについてまとめました。
腎臓(じんぞう)は「体の中のフィルター役」です。
もう少し詳しく説明すると、腎臓は背中側・腰の少し上に左右1つずつある臓器で、ソラマメのような形をしています。
主な役割は、血液をろ過して不要な老廃物や余分な水分・塩分を尿として体の外に出すこと。
そのおかげで、体内の環境(体液の量や成分のバランス)が正常に保たれているのです。
腎臓がんとは、腎臓にある細胞ががん化して増殖する病気のことです。
腎細胞がんは、「腎実質」の細胞ががん化して悪性腫瘍になったもので、多くはこのタイプです。
なお、同じ「腎臓のがん」でも、尿の通り道である腎盂(じんう)の細胞から発生する「腎盂がん」もあります。
しかし、腎細胞がんと腎盂がんはその性質と治療法が異なるため、区別されます。
本記事でも、腎細胞がんについて取り上げています。
腎臓がんは、初期にはほとんど自覚症状がないことが特徴です。
そのため、早い段階で見つかるケースの多くは健康診断のエコーやCT検査、あるいは他の病気を調べている最中に「偶然見つかった」というパターンです。
また、がんが進行してから見つかるパターンもあります。
肺や骨、肝臓、脳などに転移したがんが先に見つかって、調べていくうちに「腎臓がんだった」とわかるということも少なくありません。
がんが大きくなってくると、以下のような症状が現れます。
・血尿
・背中や腰の痛み
・足のむくみ
・食欲不振
・吐き気
・便秘
・腹部のしこり
・お腹の痛み
また、腎臓がんが他の場所に転移すると、その部位に応じた症状が出てきます。
・肺への転移:胸の痛み、咳、痰に血が混じる
・骨への転移:骨の痛み、骨折しやすくなる
・脳への転移:頭痛、体の片側が動かしにくくなる(片側の運動麻痺)
腎臓がんのステージは、以下のように定められています。
■ステージ1
・がんが腎臓の中だけにとどまっている
・がんの直径が4cm~7cm以下
・リンパ節転移、遠隔転移のどちらもない
■ステージ2
・がんが腎臓の中だけにとどまっている
・その直径が7cmより大きい
・リンパ節転移、遠隔転移のどちらもない
■ステージ3
・がんが腎静脈や下大静脈、または腎臓まわりの脂肪に広がっているが、ゲロタ筋膜は越えていない
・または、腎臓近くの領域リンパ節に転移している
※遠隔転移はない
■ステージ4
・遠隔転移はないが、がんがゲロタ筋膜を越えた部分まで広がっている(同じ側の副腎まで広がっている場合を含む)
・または、肺や骨、脳などの臓器に遠隔転移している
ステージ4は、がんが腎臓から広がる(浸潤)か、遠隔転移している状態を指します。
腎臓を包んでいる一番外側のゲロタ筋膜を超えて、同じ側の副腎や肝臓・膵臓など隣の臓器に直接入り込んでいる。
または、肺・骨・脳など遠くの臓器まで遠隔転移している場合に当てはまります。
がんの大きさやリンパ節への転移を問わず、「遠隔転移が確認された」段階でステージ4と判断される点がステージ4の大きな特徴です。
ステージ4では、遠隔転移の有無で治療の方針が異なります。
腎臓の周囲にがんが広がっているものの、離れた臓器には飛んでいない段階です。
基本は「手術で取り切る」ことが柱になります。
ただ、がんが大きかったり腎臓の外側に食い込んでいる場合は、腎臓だけでなく周囲の組織やリンパ節もまとめて切除することがあります。
手術は、腹腔鏡、ロボット支援下腹腔鏡、開腹のいずれかを体の状態に合わせて選択されます。
がんが腎臓から離れた臓器にまで達している段階です。
その上で、体力やがんの位置から手術ができるかどうかが判断されます。
手術が可能な場合は先に腎臓を摘出し、転移した部位も手術や放射線治療、薬物療法を続けたりします。
遠隔転移なしの場合と同様に、手術の方法は、腹腔鏡、ロボット支援下腹腔鏡、開腹のいずれかが選択されます。
腎臓の手術自体が難しい場合は、腎臓を残したまま転移した部位に対して薬や放射線、場合によっては部分的な切除手術を組み合わせていきます。
※遠隔転移なし・ありどちらとも、腎臓を摘出する手術の前に、場合によっては「分子標的薬」による術前治療が入ることもあります。
※分子標的薬・・・がん細胞の特定の分子だけをターゲットにして、がんの分裂や増殖を抑える治療薬
生存率とは、ある病気と診断された人が、5年や10年といった特定の期間を生きて過ごしている割合です。
がんにおいては「5年生存率」がよく使われ、診断から5年後にどれくらいの人が生存しているかを表します。
腎臓がんのステージ4における生存率は、以下のような数値になっています。
■実測生存率:17%
■ネット・サバイバル:18.5%
※実測生存率:がんと診断された人のうち、一定期間生存している人の割合(がん以外の死亡も含む)
※ネット・サバイバル:がん以外の死亡要因を除いた生存割合
※診断年と生存率:2015年5年生存率
※出典:国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」
緩和ケアとは、がんのような生命を脅かす病気に直面している人と、その家族の「生活の質(QOL)」を高めるためのケアです。
緩和ケアの目的は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、患者と家族の苦痛を和らげて、できるだけ穏やかに、自分らしく過ごせるように支えること。
2つ目は、QOL(生活の質)を高めること。
これは、身体的な痛みだけでなく、心の不安や家族の悩みまで含めてトータルで支える、という考え方に基づいています。
進緩和ケアは、がんと診断されたらすぐに受けることができます。
昔は「治療が終わったあと」と思われがちでしたが、今は「治療と並行して、最初から受ける」のがスタンダード。
診断直後のショックや、初期から感じる身体のつらさに対しても、早い段階でケアを始めることで、苦痛を軽減できるという考え方が広がっています。
緩和ケアは「チーム医療」で行われています。
中心になるのは主治医や看護師ですが、さらに
・薬の調整を行う薬剤師
・不安に寄り添う心理士やソーシャルワーカー
・家族ケアを担う専門スタッフ
といったように専門職が連携して支える「緩和ケアチーム」が組まれています。
受けられる場所も多様で、病院の外来・入院病棟・緩和ケア病棟(ホスピス)・自宅での訪問ケアなど、本人の希望や状態に合わせて選べるようになっています。
緩和ケアで大切にされているのは、「辛い」「苦しい」という気持ちを我慢しないこと。
患者さんやそのご家族、親しい方の心に寄り添ってケアが行われます。
ステージ4の腎臓がんは、がんが腎臓の外にまで広がる、あるいは肺や骨など他の臓器に転移している状態です。
治療の進め方は「遠隔転移があるかどうか」で大きく変わり、手術や薬物療法、放射線などを組み合わせて検討されます。
また、治療の効果だけでなく、生活の質(QOL)を保つ「緩和ケア」も大切な支えのひとつです。
私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』