がん末期でお悩みならクリニックC4。末期がん、多発転移でもクリニックC4のトモセラピーなら治療の可能性があります。

〒151-0062 東京都渋谷区元代々木町33番12号

すい臓がんの生存率とは?5年・10年生存率(ネット・サバイバル)

十二指腸がんの末期症状-ステージ4との違いや緩和ケアについて

トップページ >> 癌転移に関する記事一覧 >>  十二指腸がんの末期症状-ステージ4との違いや緩和ケアについて

十二指腸がんの末期症状とは

厚生労働省の「2023年 全国がん登録」によると、小腸がんは年間罹患数は3,908人、人口10万人あたりの粗罹患率は3.1と低く、希少がんに分類される病気です(※1)。

小腸腺がん全体のうち、十二指腸で発生するがんはおよそ45%(※2)。国内の症例数が少ないため、十二指腸がんで末期と告げられて孤独や不安を覚える方も少なくないでしょう。

本記事では、十二指腸がんの末期症状の特徴、ステージ4と末期の違い、主な治療方針や緩和ケアについて詳しく解説しています。

※1参照元:厚生労働省「2023年 全国がん登録 罹患数・率 報告」【PDF】

※2参照元:国立がん研究センター希少がんセンター|公開日:2014年4月28日/更新日 : 2026年3月4日

種類別(組織型)に見る十二指腸がんの末期症状

十二指腸には腺がんのほか、神経内分泌腫瘍(NET)、消化管間質腫瘍(GIST)、悪性リンパ腫など複数の組織型が発生します。腫瘍ができる部位や組織型によって、末期に現れる症状は大きく異なるため、違いを見ていきましょう。

※なお、胆管と膵管が十二指腸につながる「乳頭部」にできるがんは十二指腸乳頭部がんと呼ばれますが、胆道がんとして扱われます。

十二指腸腺がん

小腸腺がんのうち、十二指腸の粘膜から発生する腫瘍です。胆汁や膵液といった消化液による慢性的な刺激を受けやすいことが、発生率の高さに関係していると考えられています。

主な末期症状

  1. 重篤な閉塞症状:十二指腸は「胃の出口」に近い場所にあるため、がんが進行して内腔が塞がると、食べたものだけでなく胃液や胆汁も逆流し、吐き気や嘔吐が続くことがあります。
  2. 閉塞性黄疸:がんが胆汁の出口である乳頭部付近を塞ぐと胆汁が流れなくなり、皮膚や白目が黄色くなる黄疸や、全身の強いかゆみが生じます。
  3. 腹膜播種による苦痛:お腹全体にがんが広がると、腹水によりお腹の張りや息苦しさを感じることがあります。

神経内分泌腫瘍(NET)

ホルモンを分泌する神経内分泌細胞から発生する腫瘍です。十二指腸NETの多くはホルモン過剰症状を出さない「非機能性」ですが、過剰分泌を伴う「機能性」の場合は、ガストリンというホルモンを過剰に分泌する「ガストリノーマ」であることが多く見られます。

主な末期症状

  1. 難治性の消化性潰瘍と出血:ガストリンの過剰分泌で胃酸が増えすぎると、薬で治りにくい胃・十二指腸潰瘍が多発し、潰瘍からの出血で吐血や下血を起こすことがあります。
  2. 重い下痢と体重減少:胃酸過多や腫瘍が分泌する物質の影響で消化吸収がうまくいかなくなり、慢性的な下痢や体重減少につながります。
  3. 肝転移による症状:肝臓に転移が広がると肝機能障害や右上腹部の痛みが現れ、進行すると黄疸を伴うこともあります。

消化管間質腫瘍(GIST)

粘膜の下にある筋肉の層(固有筋層)の細胞から発生する肉腫の一種です。十二指腸は膵臓や胆管に近接しているため、腫瘍が大きくなると周囲の臓器を巻き込みやすい特徴があります。

主な末期症状

  1. 腫瘍からの大量出血:腫瘍から出血すると、タール便(黒色便)や貧血がみられます。出血量が多い場合には、吐血などの症状が現れることもあります。
  2. 腫瘍破裂と腹膜炎:腫瘍が大きくなることで腹痛などの症状が現れることがあります。まれに腫瘍の破裂によって緊急対応が必要になるケースもあります。。
  3. 周囲臓器への圧迫:膵臓や胆管に近い部位で腫瘍が増大すると、これらの臓器が圧迫され、消化液の流れが妨げられることがあります。

悪性リンパ腫

頻度は腺がんや消化管間質腫瘍(GIST)に比べて低いものの、十二指腸にも発生することが知られている血液のがんです。

主な末期症状

  1. 消化管穿孔(せんこう):腸に穴が開く「消化管穿孔」が起こると、強い腹痛や腹膜炎を伴い、緊急の対応が必要になることがあります。
  2. 全身状態の悪化:発熱や体重減少などがみられ、感染症にかかりやすくなるなど、体力が低下することがあります。
  3. 多臓器への浸潤:病変が脾臓や骨髄などに広がると、部位に応じた症状が現れることがあります。

十二指腸がんにおける「末期」と「ステージ4」の定義

「末期」という言葉に、医学的に厳密な一律の定義はありません。一般的には、がんの根治を目指す治療が難しくなった段階を指す言葉として使われています。

がんにおける「末期」の捉え方

「末期」とは、がんが「どこまで広がっているか(ステージ)」だけでなく、治療の見通しや患者さんの体力なども含めて総合的に判断される状態です。延命を目的とした積極的な治療よりも、症状緩和やQOL(生活の質)向上を重視した医療が中心となることが多い傾向です。

ステージ4(Ⅳ期)とは

ステージ4は、がんが十二指腸から離れた臓器(肝臓、肺、腹膜など)やリンパ節に転移している状態を示す医学的な分類です。十二指腸の腺がんでは、空腸や回腸の腺がんとは異なるTNM分類の基準を用いて進行度を判定します(※3)。

※6参照元:国立がん研究センター希少がんセンター

種類別(組織型)に見る十二指腸がんの主な治療法

十二指腸がんの治療法は、がんの種類や進行度、患者さんの全身状態を踏まえて決まります。早期から進行・末期まで、治療方針はさまざまです。ここでは組織型ごとの一般的な治療方針を紹介します。

  1. 十二指腸腺がん:症例が少なく標準治療は確立されていませんが、切除可能な場合は膵頭十二指腸切除などの手術が検討され、進行・再発例の薬物療法では大腸がんや胃がんに準じた化学療法(FOLFOX療法やCapeOX療法など)が選択されます。
  2. 神経内分泌腫瘍(NET):ガストリノーマでは胃酸分泌を抑える薬剤で症状を抑えつつ、リンパ節郭清を伴う十二指腸切除術が推奨されており、進行例ではソマトスタチンアナログ製剤や分子標的薬(エベロリムスなど)が用いられます。また、ソマトスタチン受容体陽性の進行・再発例に対しては、放射性物質でがん細胞を体内からピンポイントに照射するペプチド受容体放射性核種療法(PRRT:ルテチウムオキソドトレオチド)という最新の分子標的放射線治療が重要な選択肢となっています。
  3. 消化管間質腫瘍(GIST):一般的な抗がん剤は効きにくいため、特定の分子を標的とした分子標的薬(例:イマチニブ)による治療が中心となります。イマチニブに耐性(効果が減弱)を示した進行・末期症例に対しては、スニチニブやレゴラフェニブ、さらに最新の分子標的薬であるピミテスピブ(Hsp90阻害薬)などを段階的に使用し、病状のコントロールを図ります。
  4. 悪性リンパ腫:手術よりも、抗がん剤(例:リツキシマブ)を用いた化学療法が第一選択となることが一般的です。

※適応は症例によるため、必ずしも上記の治療を行うわけではありません。

検査結果や状況に応じて取られるアプローチ

MSI-High(がん細胞の遺伝子修復機能に異常がある状態)と判定された場合、免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ等)による免疫療法が検討されることがあります。

国内の研究では、2018年12月〜2019年11月に、切除不能または転移性の固形がん26,469検体を対象にMSI検査が行われました。そのうち26,237検体で結果が得られています。MSI-Highの頻度は小腸がんで8.63%、十二指腸がんで5.60%、大腸がんで3.78%と報告されました(※4)。

※4参照元:PubMed

消化管の閉塞への対症療法

がんによって胃の出口や十二指腸が塞がり食事がとれなくなった場合、内視鏡を使って金属ステントを挿入し、狭くなった部分を広げる処置が行われることがあります。手術の負担が大きいと判断される場合には、胃と空腸をつなげて食物の通り道を確保するバイパス手術が選択肢となることもあります。

腹水への対症療法

お腹の張りが強い場合、苦痛を取り除くための処置が行われます。利尿剤で体内の水分量を調整した後、お腹に針を刺して直接腹水を抜く腹腔穿刺を行い、圧迫感を一時的に解消するのが一般的です。抜いた腹水からがん細胞などを除去し、必要なタンパク質だけを濃縮して血管に戻すKM-CART(腹水濾過濃縮再静脈注法)を行う場合もあります。

十二指腸がん患者の心と体を支える「緩和ケア」

緩和ケアは、末期と診断された方だけが受ける医療ではありません。診断時から、痛みや不安、生活上のつらさを和らげるために利用できるサポートです。十二指腸がんのような希少がんは情報が少なく、患者さんやご家族の孤独感が深まりやすいため、不安やつらさを和らげる目的で早期から緩和ケアを取り入れると良いでしょう。

緩和ケアが受けられる場所

  1. 緩和ケア病棟(ホスピス)
  2. 在宅療養(訪問診療・訪問看護)
  3. 外来・一般病棟など

まとめ

十二指腸がんは希少ながんであり、情報が少ないことに不安を感じるかもしれません。しかし、現代の医療には組織型に応じた治療の選択肢があり、痛みや苦痛を取り除く緩和ケアの技術も確立されています。

緩和ケアは、治療を終えることを意味するものではありません。痛みや不安を和らげながら、これからの時間をその人らしく過ごせるよう支える医療です。一人で、あるいはご家族だけで抱え込まず、主治医やがん相談支援センター、緩和ケアチームを頼り、今の不安や希望を言葉にして伝えることから始めてみましょう。

私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』