がん末期でお悩みならクリニックC4。末期がん、多発転移でもクリニックC4のトモセラピーなら治療の可能性があります。
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「末期」という言葉は、単にがんの進行度だけを指すものではなく、治療の方針が大きく転換する時期でもあります。あらかじめ起こりうる症状や、その苦痛を和らげる方法を知っておくことは心の準備となり、ご本人やご家族が大切にしたい時間を守ることにつながります。
この記事では、乳がんにおける末期の意味を踏まえたうえで、起こりやすい症状、そして最期の時までその人らしく過ごすための「緩和ケア」について説明します。
まず初めに、「末期」の意味を整理します。
実は、「末期」という言葉に明確な定義はありません。医師によっても変わりますが、ステージにかかわらず、根治が難しいと判断された場合に用いられることが多い言葉です。
そのため、仮に「ステージ4」でも「末期」とは限りません。
逆に、ステージにかかわらず患者さんの状態によっては「末期」と判断されることがあります。
もちろんこれも医師によりますが、判断理由は主に3つあります。
■がんが進行し手術が有効でない
がんが全身に広がっている(遠隔転移)場合、目に見える部分だけを手術しても再発の可能性が高く、体への負担や免疫低下で逆効果になるリスクが高いです。
■体力や臓器機能が治療に耐えられない
抗がん剤などの治療は強い副作用があります。体力(パフォーマンスステータス)が低下していたり、腎臓・肝臓の機能が弱っていると、治療の効果よりリスクが上回ると判断されます。
■積極的治療の選択肢が尽きた
手術・放射線・薬物療法などの標準治療を検討し、また、がんが薬に耐性を持って効果がなくなった場合、保険診療内で行える積極的治療が残らなくなります。
末期になると、「がんの根治を目指す治療」から「苦痛を和らげる治療(緩和ケア)」へ方針が変わります。治療による苦痛を取り除き、穏やかな時間を一日でも長く確保しようという方針の転換を意味しているのです。
乳がんは骨に転移しやすいがんです。背中、腰、肋骨などに痛みを感じることがあります。この痛みを緩和するため、医療用麻薬(モルヒネなど)や鎮痛薬の使い方が進歩しています。また、疼痛の強い転移病巣に緩和的な放射線治療をおこなうこともあります。痛みがある場合は、すぐに医師や看護師に伝えてください。
がんが進行して乳房の皮膚表面に顔を出したり、皮膚が崩れて潰瘍(かいよう)になったりすることがあります。これに伴い、出血や浸出液、独特の臭いが生じることがあり、患者さんにとっては大きな精神的ストレスです。
出血を抑える処置や、臭いを消すための軟膏(メトロニダゾールなど)、衣服を汚さないための処置が施されます。
脳への転移や肝臓・腎臓の機能低下、あるいは薬剤の影響で、意識がぼんやりすることがあります。以下のような症状が見られることがあります。
■傾眠(けいみん):うとうとと眠っている時間が長くなる
■せん妄(せんもう):つじつまの合わないことを言ったり、見えないものが見えたり、興奮したりする状態
性格が変わってしまったようでショックを受けるかもしれませんが、これは脳の機能低下による症状です。ご本人のせいでも、ご家族のせいでもありません。否定せずに話を合わせたり、優しくなだめることで落ち着くことが多いです。
冒頭でも少し触れましたが、この時期の治療における目標は「できるだけ苦痛なく、自分らしく過ごせる時間を大切にすること」です。大きく分けて「がんに対する治療」と「症状に対する治療(緩和ケア)」の2つの柱で治療が行われます。
体調が許す限り、がんの進行を遅らせたり、腫瘍を小さくして症状を和らげたりするために行われます。
■薬物療法(抗がん剤)
ホルモン療法や分子標的薬、抗がん剤などの治療には副作用があります。体力(パフォーマンスステータス)が低下していたり、腎臓・肝臓の機能が弱っていると、治療の効果よりリスクが上回ると判断されて停止されることもあります。
■放射線
転移による痛みを和らげるためや、脳転移による症状(ふらつき、頭痛など)を抑えるために行われます。
体力的に積極的な治療が難しい場合は、抗がん剤などは使用せず、症状を和らげる「緩和ケア」に専念する選択が検討されます。
緩和ケアとは、患者さんが抱える「つらさ」を和らげ、その人らしく過ごせるように支える医療のことです。
昔は「治療の手立てがなくなった時の最後の手段」という誤解がありましたが、現在は「がんと診断された時から、がん治療と並行して行うもの」へと常識が変わっています。
具体的にどのようなケアが行われるのか、4つの側面(トータルペイン)から説明します。
まず一つ目は、身体的なつらさです。がんが骨や臓器に広がることで生じる「痛み」はもちろん、息苦しさや吐き気、だるさ、食欲不振、眠れないといった体の不快な症状などを含みます。乳がんの方であれば、手術後の腕のむくみ(リンパ浮腫)による重だるさなどもここに含まれます。
体が痛ければ心もふさぎ込んでしまうため、まずこの身体的な苦痛を薬や処置で和らげることがケアの土台となります。
緩和ケアの対象となるのは身体的な症状だけではありません。病気に対する不安や恐怖、苛立ち、孤独感、そして「これからどうなってしまうのだろう」という深い落ち込みといった精神的なつらさもケアの対象です。また、薬の副作用による気分の変化や、せん妄(一時的な意識の混乱)といった症状もここに含まれます。
病気が進行するにつれて、気分の落ち込みが激しくなり、うつ状態になってしまうことも珍しくありません。心のつらさは体の痛みをより強く感じさせてしまうため、話を聞いて気持ちを整理したり、時には薬の力を借りて心の安定を図ったりします。
患者さんと社会、あるいは家族との関係性の中で生じる悩みです。例えば、入院や治療費による経済的な負担や、仕事や家事を続けられなくなったことによる「役割の喪失感」が挙げられます。「家族に迷惑をかけて申し訳ない」という罪悪感や、遺産相続の問題、あるいは社会から取り残されてしまったような疎外感もこの苦痛に含まれます。
ご本人の体調だけでなく、こうした生活環境や人間関係の悩みを解決するために、ソーシャルワーカーなどが介入して制度や環境を整えていきます。
最後が、スピリチュアルなつらさ(魂のつらさ)です。これを言葉で説明するのは難しいのですが、「なぜ私がこんな病気にならなければならなかったのか」「私の人生にはどんな意味があったのか」「死んだらどうなってしまうのか」といった、人生の根本的な意味や死生観に関わる苦しみです。
宗教的なことだけを指すのではなく、誰もが抱く「生きる意味」への問いかけと言ってもよいでしょう。自分らしさを失うことへの恐怖や死への恐怖に対し、医療者が答えを出すことはできませんが、その想いに真摯に耳を傾け、患者さんがその人なりの答えや安らぎを見つけられるよう、寄り添い続けるケアが行われます。
これら4つのつらさは複雑に絡み合っています。「経済的な不安」があることで「不眠」になり、その結果「死への恐怖」が強まる、といったことも起こり得るのです。だからこそ緩和ケアでは、ただ痛み止めを出すだけでなく、これらすべてを包括して、その人の「つらさ」全体を支えようとします。
緩和ケアは、病院の外来や入院中だけでなく、緩和ケア病棟(ホスピス)や自宅でも受けることができます。自宅で過ごしたいという希望があれば、訪問診療や訪問看護を利用することも可能です。どこでどのように過ごすかは、患者さんの希望と現在の体調、そしてご家族の状況に合わせて選ぶことになります。
「末期」とは、ステージだけで決まるものではなく、積極的な治療から「苦痛を和らげるケア」へと方針を切り替える時期を指します。
乳がんの末期症状には、骨転移による痛み、肺転移や胸水による呼吸の苦しさ、せん妄や傾眠といった意識の変化など、身体的・精神的にさまざまなつらさが現れます。
治療の中心となるのは、がんの進行を抑える薬物療法と、並行して行われる「緩和ケア」です。緩和ケアは、痛みや症状を和らげるだけでなく、心の不安、社会的な悩み、人生の意味に関わる苦しさまで含めて支える医療です。
医師や看護師、緩和ケアチームと相談しながら、その人らしく過ごせる時間を少しでも穏やかに保つ治療の存在を、ぜひ知っておいてください。
私たちクリニックC4は『がんをあきらめない』