主治医はこう言っているけれど、本当にこの治療法で進めていいのだろうか?―
がんなどの大きな病気に直面したとき、このような不安や迷いを感じることは珍しいことではありません。そんなときに、納得して治療に向き合うための選択肢として「セカンドオピニオン」があります。
治療を進めるうえで有効な手段のひとつといえますが、事前の準備や正しい知識がないまま動き出してしまうと、思わぬトラブルや後悔につながることもあります。
本記事では、セカンドオピニオンを検討するうえで必ず知っておきたい7つの注意点について丁寧に解説します。
セカンドオピニオンとは、「現在の主治医とは別の、第二の病院の医師に、自分の病状や治療方針についての意見を求めること」をいいます。
主治医から診断や今後の治療について説明を受けたものの、腑に落ちていなかったり、より身体にとって負担の少ない方法はないかと迷いが生じたりした際に、別の医師の客観的なアドバイスを聞くことができる仕組みです。
ここでとくに重要なのは、セカンドオピニオンは、病院や主治医を変えることではないという点です。
基本的には「現在の主治医のもとで治療を受けること」を前提にしながら、これまでの検査データや紹介状を提供してもらい、別の医師へ一時的に「意見を聞きに行く」のが正しい形です。
「セカンドオピニオンをしたいと言うと、先生の気分を害してしまうかも」と不安に思う方が多くいらっしゃいますが、そんなことはありません。
現代の医療において、セカンドオピニオンは患者さまの正当な権利として一般的に認められています。医師側も、患者さまが心から納得して治療に臨むことが何より大切だと考えているため、申し出を尊重してくれるでしょう。
それでも不安な方は、現在の主治医にセカンドオピニオンの意思を伝えるうえでの心構え等について記載した、下記ページも併せて参考にしてください。
患者さまの不安を解消するために役立つセカンドオピニオンですが、実際に利用するにあたって、いくつか知っておくべきポイントがあります。
セカンドオピニオンは「第二の意見」です。そのため、土台となる「第一の意見(現在の主治医の診断や方針)」を自分がしっかり理解していることが大前提となります。
主治医の説明があまり理解できていないまま、焦って「とりあえず別の先生にも見てもらおう」とするのは本末転倒です。まずは主治医の説明でわからない点や疑問を、遠慮なく質問して確認しましょう。
これらをしっかりと確認し、主治医の意見を自分なりに把握したうえで臨むことで、「他の医師には具体的に何を相談したいのか」という目的が明確になります。
セカンドオピニオンを受ける病院や医師は、原則として、患者さまやご家族自身で見つける必要があります。
主治医に希望を伝えれば、地域の専門医療機関などの情報を共有してくれることはありますが、特定の医師をピンポイントで具体的に推薦・紹介してくれるケースは少ないと考えておきましょう。
自分自身やご家族の病気に対して治療実績が豊富な病院はどこかなど、主体的に情報収集する姿勢が必要です。
非常に重要なポイントですが、セカンドオピニオン外来はあくまで「相談の場」です。
その場で新しい検査を行ったり、お薬を処方したり、実際の治療を開始したりすることはありません。
相談先の医師は、現在の主治医が用意した紹介状や検査データ(画像や血液検査の結果など)を元に、客観的な専門家の意見を述べるに留まります。
もし、セカンドオピニオン先の医師による治療を強く希望する場合は、一度セカンドオピニオンを終了したうえで、改めてその病院の一般外来を受診し、正式な手続きを経て「転院」する必要があります。
セカンドオピニオンは診察や治療といった通常の医療行為には当たらないため、健康保険が適用されません。全額自己負担となる自由診療(保険外診療)になります。
費用は各医療機関が独自に設定していますが、相談時間30分〜1時間ほどで数万円かかるケースが一般的です。
事前に資料を読み込む時間なども考慮された金額になっているため、あらかじめ希望する病院のウェブサイトや電話窓口で料金を確認しておくと良いでしょう。
「高い費用を払って聞きに行ったのに、主治医とまったく同じことを言われた…」と、肩を落としてしまう方も少なくありません。がんなどの治療においては、医学的に信頼性が高いとされる治療方針(標準治療)が存在するため、どの医師に聞いても同じ結論に至ることは珍しくないのです。
しかし、これは決して無駄足ではありません。
複数の医師が口をそろえて同じ意見を言うということは、「いま提案されている治療法が、自分にとって、もっとも信頼できる選択肢である」という強い裏付けにつながるからです。迷いがなくなり、前向きに治療へ専念できるという大きなメリットがあります。
セカンドオピニオンと混同されやすいものに「ドクターショッピング」があります。
これは、自分が納得して方針を決めるためではなく、自分の思い通りの答え(〇〇と言ってほしいなど)を出してくれる医師を求めて、次から次へと病院を巡ってしまう行為です。
ドクターショッピングを繰り返すと、診断結果が分散して混乱するだけでなく、大切な治療のタイミングを逃してしまう原因にもなります。
セカンドオピニオンは原則として1回、多くても2回程度にとどめ、得られた意見をもとに最終的には自分で決断するという意識を持ちましょう。
最後に、時間的なリスクについても考慮しなければなりません。
セカンドオピニオンの実行には、それなりの日数がかかります。主治医に検査データや紹介状を準備してもらい、受け入れ先の病院を探して予約を取り、実際に足を運ぶまでには、数週間ほどの時間を要します。
進行が早いがんなどの病気の場合、意見を聞くことに時間を費やしている間に病状が進んでしまい、適切な治療のタイミングを逃してしまうリスクも否定できません。
スケジュールを有効に使うためにも、「いつまでに治療を始めるべきか」というタイムリミットを主治医に確認したうえで動き出しましょう。
セカンドオピニオンの最大の魅力は、治療に対する心からの「納得感」を得られる点にあります。がんなどの大きな病気の治療は、ときに強い副作用を伴ったり、長期間に及んだりと、心身ともに大きなエネルギーを必要とします。
そんなとき、心の内に「本当にこの方法で良かったのだろうか…」という迷いや後悔が少しでも生じてしまうと、病気に立ち向かう気力も揺らいでしまうかもしれません。
たとえ別の医師の意見が主治医と同じであったとしても、複数の専門家から太鼓判を押してもらったという事実が、不安を和らげる大きな精神的支えになります。
「この方法で頑張ろう」とご自身やご家族が納得して治療のスタートラインに立てることこそが、セカンドオピニオンという選択肢が持つ本当の価値なのです。
セカンドオピニオンは、現在の治療方針に対する疑問や迷いを解消し、他の選択肢を確認したうえで納得のいく治療を選ぶための大切な仕組みです。
この仕組みをうまく活用するためには、まず現在の主治医による説明(ファーストオピニオン)を十分に理解し、費用や時間的な負担をふまえたうえで、主体的に相談先の病院を探すといった事前の準備が欠かせません。
また、セカンドオピニオンは実際の治療を行う場ではなく、あくまで客観的なアドバイスを受ける「相談」の場であるため、時に主治医と同じ意見になることもありますが、それによって現在の治療法に対する信頼と確信を深めることができます。
病気と向き合う医療の主役は、医師ではなく患者さまご自身です。複数の医師の意見に耳を傾け、心から納得できる選択肢を見つけ出すことが、これからの治療を力強く乗り越えていくための大きな一歩となるでしょう。
クリニックC4は
末期がんや再発がんはもちろん
「治療方針に迷っている」
「手術以外の選択肢を探している」
という段階からのセカンドオピニオンを広く受け入れています。まずはご相談ください。