メールで相談
03-6407-9407電話対応時間:9:00〜17:30

膀胱がんの末期症状には、血尿や排尿困難、強い倦怠感、食欲低下、骨転移による痛みなどがあります。
本記事では、膀胱がんの末期に起こりうる身体への影響(症状)や治療法、とくにこれからの時期に重要となる「緩和ケア」に重点を置いて詳しく説明します。

膀胱がんの基礎知識

まずは膀胱がんの特徴や、進行度(ステージ)の分類について解説します。

膀胱がんとは

膀胱がんは、尿をためる臓器である膀胱の内側の細胞から発生するがん(悪性腫瘍)の総称です。その多くは、尿路の表面を覆う「尿路上皮(にょうろじょうひ)」から発生する「尿路上皮がん」で、全体の90%以上を占めています。

膀胱がんは、がんが膀胱の壁にどのくらい深くまで根を張っているか(深達度)によって、大きく2つに分類されます。これは治療方針を決める重要な基準となります。

  • 筋層非浸潤性(きんそうひしんじゅんせい)膀胱がん:
    がんが膀胱の表面(粘膜・粘膜下層)にとどまっている状態です。比較的タチは良いですが、再発しやすい特徴があります。
  • 筋層浸潤性(きんそうしんじゅんせい)膀胱がん:
    がんが膀胱の壁の深い筋肉の層(筋層)にまで及んでいる状態です。他の臓器へ転移するリスクが高くなります。

参照元:国立がん研究センター がん情報サービス 「膀胱がんについて」
https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/about.html 2026年7月9日時点

膀胱がんのステージ分類

がんの進行度は「ステージ(病期)」で表されます。腫瘍の広がり(T)、リンパ節への転移(N)、遠隔臓器への転移(M)の3つの組み合わせで決まり、0期からⅣ期まで数字が大きくなるほど進行していることを意味します。

  • ステージ0:
    がんが最も内側の粘膜内にとどまっており、転移はありません。
  • ステージⅠ:
    粘膜の下までがんは進んでいますが、筋肉の層には達していません。
  • ステージⅡ:
    がんが筋肉の層(筋層)まで達していますが、膀胱の外には出ていません。
  • ステージⅢ:
    がんが膀胱の周囲の脂肪組織や隣接する臓器(前立腺、子宮など)に広がるか、近くのリンパ節に転移がみられる状態です。
  • ステージⅣ:
    がんが骨盤の壁や腹壁まで及んでいるか、遠くのリンパ節、または肺・肝臓・骨などの遠くの臓器(遠隔臓器)に転移している状態です。

膀胱がんの「ステージⅣ」は「末期」?

じつは「ステージⅣ」と「末期」は同じ意味ではありません。
ここの違いを正しく整理しておきましょう。

「ステージ」と「末期」の違い

ステージⅣ(病期)

がんが体の中で「最も広く進行している状態」という、あくまで広がりの度合いを示す言葉です。ステージⅣであっても、体力があれば抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬など、がんの進行を抑える積極的な薬物療法を行うことができます。

末期

医学的な明確な定義はありませんが、一般的には「がんに対する積極的な治療(抗がん剤など)を続けても効果が期待できなくなり、治療による体へのダメージ(副作用)が、得られるメリットを上回ってしまった状態」を指します。

そのため、「ステージⅣだからといって、すぐに末期とは限らない」のです。逆に、ステージに関わらず、次のような理由から医師に「末期」と判断されることがあります。

  1. がんが進行し、手術が有効ではない:
    がんが全身に広がっている場合、目に見える一部だけを手術で取っても再発のリスクが高く、体力を奪うだけで逆効果になるケースが多いためです。
  2. 体力や臓器の機能が治療に耐えられない:
    抗がん剤などの治療は強い副作用を伴います。体力や、腎臓・肝臓の機能が低下していると、治療のリスクが効果を上回ってしまいます。
  3. 積極的な治療の選択肢が尽きた:
    あらゆる標準治療(手術・放射線・薬物療法)をやり尽くしたり、がんが薬に慣れて(耐性を持って)効果が出なくなったりして、使えるお薬がなくなった場合です。

末期になると、がんそのものを治す治療から、「苦痛を和らげる治療(緩和ケア)」へと目的がシフトします。

膀胱がんの症状の現れ方

初期から末期にかけて、膀胱がんはどのように症状が現れるのでしょうか。

初期症状

最もよく見られるのは「痛みのない血尿」です。尿の色が赤や茶色になりますが、一度出たあとにしばらく出なくなることも多いため、「気のせいか」と放置されてしまうことが少なくありません。また、目で見て分からない、健診の尿検査で初めて判明する潜血もあります。

進行したときの症状

がんが大きくなると、膀胱の働きや尿の流れが邪魔され、次のような症状が出ます。

  • 頻尿(トイレが近くなる)
  • 排尿するときの痛み
  • 残尿感(尿が残っている感じがする)
  • 切迫尿意(急に激しい尿意に襲われる)
  • 尿が出にくくなる、途切れる

末期に現れやすい症状

全身の状態が低下してくると、強いだるさ(倦怠感)や食欲の低下がみられます。膀胱がん特有の症状としては、激しい血尿や、がんが尿の通り道を塞ぐことで腎臓が腫れてしまう「水腎症(すいじんしょう)」、それに伴う腎機能の低下が起こります。また、がんが骨に転移している場合は、腰や背中などに強い痛みが生じることがあります。
膀胱がんの治療の流れ

治療は、がんが「膀胱の筋肉まで深く入っているかどうか」で方針が大きく分かれます。

そのため、まずはTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)という内視鏡手術を行い、がんを削り取ると同時に、顕微鏡で深さを調べる検査を兼ねて行います。その結果をもとに、以下の治療へと進みます。

  • ステージ0〜Ⅰ(表面にとどまるがん):
    できるだけ膀胱を残す治療が基本です。最初の内視鏡手術(TURBT)だけで治療が完了することもあります。
  • ステージⅡ〜Ⅲ(筋肉まで入ったがん):
    膀胱をすべて取り除く「膀胱全摘除術」と、尿の新しい出口を造る「尿路変向術(にょうろへんこうじゅつ)」を行うのが標準的な治療です。
  • ステージⅣ(転移がある進行がん):
    手術で全てを取り除くのは難しいため、全身に効く「抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)」が中心となります。薬の効果が出なくなってきた場合は、「免疫チェックポイント阻害薬」や、最新の「抗体薬物複合体」などにお薬を変えながら治療を継続します。
  • 末期段階:
    がんを無理に小さくしようとするのではなく、血尿や痛み、だるさを和らげて穏やかに過ごすための「緩和ケア」が治療の中心となります。

膀胱がん末期の「緩和ケア」

緩和ケアとは、がんによって生じる体と心のつらさを和らげ、自分らしい生活の質(QOL)を保つための大切な医療です。

緩和ケアで具体的に行われること

痛みや苦しさをやわらげる治療

下腹部や、骨転移による腰・背中の痛みに対し、医療用麻薬などの镇痛薬を適切に調整し、日常生活を少しでも楽に送れるよう痛みをコントロールします。

膀胱がん特有の症状への処置

激しい血尿や、尿管が詰まる水腎症の痛みを抑えるための処置を行います。また、出血や骨の痛みをピンポイントで抑えるために、体に負担の少ない「放射線治療」を部分的に行うこともあります。

心と生活のサポート(ご家族のケア)

不安や気分の落ち込みといった心のつらさを支えます。また、看病や介護に奔走するご家族も、大きな不安を抱える「第二の患者さん」です。ご家族自身の休息や、今後の介護の相談、心のケアも緩和ケアの重要な役割です。

まとめ

治療の末に「末期」という段階を迎えたとしても、決して医療が終わるわけではありません。そこからは「緩和ケア」という、患者さんの穏やかな時間を守るための大切な医療へとバトンが渡されます。

がんと闘うステージから、自分らしく心穏やかに過ごすステージへ、治療の目的が変わるだけです。患者さんご本人だけでなく、支えるご家族のための相談窓口や専門チーム(緩和ケアチーム、がん相談支援センターなど)も用意されています。決して一人で抱え込まず、主治医や病院の専門家をしっかりと頼ってください。

CONTACT

クリニックC4は
末期がんや再発がんはもちろん
「治療方針に迷っている」
「手術以外の選択肢を探している」
という段階からのセカンドオピニオンを広く受け入れています。まずはご相談ください。

診療予約はこちらから
03-6407-9407 予約制
診療時間:9:00〜17:30 休診日:土日・年末年始
セカンドオピニオンはこちらから
PAGE TOP